2000 DECEMBER vol.64
 大会3日前の日曜日に降った雨が、キーパーたちにとっても、芝にとっても恵みの雨となった。
 在原さんは「大会期間中の4日間は芝に水をあげられない。グリーンが柔らかくなってしまうからな。芝は生きている。ちゃんと呼吸して、しっかりと地面に根を広げている。それなのに水をあげない、ローラーで上から圧力をかけるって全くあい反することだよ。日本オープンじゃなかったら、こんなこと絶対にしないよ!」と話した。
 日曜日以降は晴天が続き、ラフは伸び、グリーンも柔らかくなった。
 「今日までの作業はイメージ通りだよ。でも、雨の後いい天気が続いているから、芝が柔らかくなっている。スコアが伸びるかもしれないな」と在原さん。
 大会期間中は芝に水を蒔かない。グリーンは芝刈り、転圧を繰り返し、さらに硬くする。

大洗ゴルフ倶楽部 石崎光男さん
 もともと地盤が砂地なので他のコースの何倍も散水しなければなりません。それが、日本オープンの年は散水しなくてもよいほど雨が多い年。来る日も来る日も雨と曇りの連続で、日照時間も短かったのです。それが原因で今まで経験したことのない芝の病気に遭遇してしまったのです。通常は稲に出る「いもち病」という病気です。
 芝の「いもち病」は病気の進行が早く、ティインググラウンドが数ヶ所やられてしまいました。それから急ピッチで芝の張り替え作業をして開催10日前にやっと終了。グリーンやラフなどのセッティングも同時進行でしたから、苦労の絶えない日々でした。その甲斐あって、最高の状態で当日を迎えることができました。その時思ったのは「人間一生勉強の日々」ということですね。


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