2001 DECEMBER vol.68
 日本のゴルフ100年を記念して行われたレセプションの会場には、R&AやUSGAをはじめとする海外のゴルフ機構からの招待客20人、さらに、国内の選手などの招待客11人をはじめ、一般参加者を含めて総勢484人が集まり、賑わいを見せた。
 レセプションに先立って行われた記者会見の会場には、48社総勢53人に及ぶ日本のマスコミ関係者が来場。開会の挨拶と記念レセプションの趣旨を説明した後、日本のゴルフに貢献した人物の顕彰を発表した。さらに、ゲストとして招待された、R&Aのセクレタリーであるピーター・ドーソン氏とUSGAのエグゼクティブディレクターを務めるデビッド・フェイ氏により、日本オープンゴルフ選手権競技を観戦した感想が述べられた後、日本のマスコミ関係者とのディスカッションが行われた。

 その質疑応答の概要は下記の通り。
「近年著しく進化したゴルフ道具に対して、コースセッティングはどのように対応するのか?」という質問に対して、ドーソン氏は主に飛距離性能が著しく向上した点について「真のチャンピオンを決める条件は、ショートゲームや自然条件の克服といった様々な要素があるため、飛距離だけでコースを攻略するのは難しい」との見解を示した。さらに、ゴルフ界の現状について問われると、フェイ氏は「アメリカではパブリックゴルフ場や9ホールコースが増加し、ゴルフ場の経営形態が変化してきた」と回答。続いて両氏からは次代のゴルフ界を担うジュニアゴルファーの育成や、プレー代の低価格化の重要性についての提言も出された。

 そして、オリンピックの正式種目への復帰に関する話題に及ぶと、ドーソン氏は「ゴルフがオリンピックの正式種目に認可されることで、それまでゴルフが盛んに行われていなかった国でも、ゴルフがメジャーな存在として認知される。さらに、国家の財政から資金が援助されるなどのメリットがある」ことを明示。このオリンピック正式競技への働きかけは、ゴルフをワールドワイドに浸透させる有力な手段として大いに期待されるところだ。

 なお、正式競技への認可に関しては、2003年8月に行われるIOC総会での決定が待たれているという。


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