2001 DECEMBER vol.68
吉川 今年の日本オープンのJGAプラザ(ギャラリープラザやJGAブース)についてですが、100年祭の記念の年にしてはいつもと変わらず、少し寂しかったように思うのですが。
川田 アイディア不足ですね。日本オープンは、他のトーナメントと違い全4日間ともテレビ放映されるわけですし、もっと注目されるようなピーアール映像をブースで流すなど、工夫がほしかったですね。もっともっと広報のアイディアが必要です。
戸張 ピーアールという意味では3年前から、大会前にメディアデーを設けました。R&AやUSGAの活動を参考にしてのものですが、事前のメディアに対する働きかけも重要だと思います。
川田 大橋委員長が取り入れたのは、土日の決勝ラウンドで全組に競技委員を付けるということでした。この試みによって、競技委員たちのルールに関する意識が変わったし、何よりレベルがアップしましたね。また、1日目から全組にキャリングボードを付けるようにしたら、選手たちの反応が一変しました。下位の選手たちも付けたことを喜んでくれましたね。
大橋 良いと思うことは、どんどんR&AやUSGAがやっていることを取り入れるべきだと思いますね。
戸張 欧米のほうが歴史が長いわけですから、良い面は日本でも取り入れたほうがいいと思います。
大橋 競技委員に関しては、最初はこちらから依頼することもありましたが、現在は募集すればすぐに定員が埋まってしまいます。本当に競技委員の意識がガラリと変わりました。キャリングボードについては、やはり全組に付けるのは当然のことと思っています。たとえば、野球で言えばスコアボードを見ないでゲームをみているのと同じ。人員、コストの面を考えれば大変ですが、やるべきことはきっちりやりたいと考えています。
吉川 メディアデーについてですが、実際に反応はどうですか?
戸張 時々、記者たちが日本オープンとは全く関係のない質問をすることもありますが(笑)、あらかじめディフェンディングチャンピオンと、開催コースを取材することによって、メディア側の大会に対する興味が増えたと思います。取材するメディアのレベルを上げるということもJGAの役目ではないかと考えます。過去のデータをはじめ、記事を制作するためのデータをこちらからメディアへ随時発信していきたいと思います。
大橋 メディアデーを始めてから、本当に質問の内容を見ても、記者たちがレベルアップをしたと感じます。以前は芸能記者のような質問も出ていました。本来のスポーツ記者たちが増えてきたようにも思います。
戸張 案内状を出すメディアの数も増やしています。というのも、私は開催コースのエリアにある地方ラジオ局、テレビ局、新聞社など、ローカルのメディアにも案内を出すようにしたのです。結局、コース周辺の人たちが一番耳にしたり、見たりするのはやはり、ローカルなメディアであり、ギャラリーの大半を占めるのは地元の人たちですから。これと並行して、広報委員会ではJGA非加盟コースにも日本オープンのポスターやエチケットポスターを配布するようにしています。現在、JGAの広報活動を広げるようにしているのですが、これは非常に時間のかかることだと思っています。
川田 日本オープンのプレスインタビューを始めたのは92年です。そこからメディアデーに繋がるまでに5年以上かかった。とにかく、何でも広げようとするには時間がかかるものです。
吉川 日本オープンに最近取り入れたことでは、予選会もあると思います。予選会の様子はどうですか?
大橋 現状の倶楽部会員だけを相手にしていてはダメだと思います。プロやその下の研修生、練習生たちも出場できるような大会。つまり、誰もが出場の機会が得られるような大会にしたいと考えています。これまでの2年間で毎年約1000人が予選に出場しました。定着しつつありますが、さらなる門戸開放が必要だと思います。
尾関 ゴルフを一生懸命やっているが、“日本オープンに出てもしょうがない”と思っているアマチュアがいると思います。
大橋 日本オープンでも、全英オープンのように出場した証に、ネームダグを作ったりしているのですが……。米国では、一生の思い出に一度でも全米オープンに出てみたいと思うアマチュアがいます。このようなメリットも十分にピーアールされていますからね。
尾関 エントリーフィの3万円が高いように思います。アメリカは確か100ドル以下だったと。
大橋 確かに、下げたいとは思いますが、コースに支払う会場費などを考慮すると3万円以下にすると赤字になってしまう。JGAの財源の問題と会場コースの協力、方法の問題でしょう。
吉川 そういった意味でも、本大会の売上が期待できれば、還元して値下げすることも可能ですよね。
古賀 JGAとして何か良い方法はないものか、私自身も考えてはいるのですが。
戸張 JGAは、R&Aの傘下で動いているものの、組織的にはUSGAに近いものがある。米国ではゴルフ場ができたら、そのまま地区のゴルフ連盟(つまりはUSGA)に加盟する。日本もその形に近づきたいですね。加盟コースと非加盟コースがあるという現在の状況は、おかしなことだと思います。本当の意味で日本オープンが日本のナショナルオープンになるためには、やはりパブリックだろうとメンバーシップであろうと、全てのコースにチャンスがあるようにしなければならないと考えます。本当の意味でのゴルフ界の裾野の上にJGAが立つべきなのではないでしょうか。
尾関 そのために、JGAの財政基盤の強化が急務ですね。


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