JAPAN GOLF ASSOCIATION
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JGA ACADEMIC GOLF AWARD
受賞者作文
高校生の部
奨励賞
「ゴルフと私」
山本 直樹
石川高等学校3年
 「お前、ゴルフやってみるか。」中学二年の五月のことでした。昔から集中力がなく物事が長続きしなかった私は、当時入部していた卓球部でも休みがちの日々が続いていました。見かねた父が私を練習場に連れていったのが五年間における学生ゴルフの始まりでした。

 父の指導のもと球を打っていくと最初はどこへ飛んでいくかもわからない状態でしたが、徐々に球筋が安定していきました。そして高く清らかな金属音が聞こえたのと同時にすごい勢いで練習場の空を飛んでいく球が見えました。その時私は決心したのです。卓球でただ応援だけしかできないのなら、緑の大舞台で活躍してやる、と。

 中学校を卒業し、私は地元の高校ではなく学校法人石川高等学校に進学しました。ティーチングプロの推薦もあり、ゴルフができる環境を求めての決断でした。そのためには、親元を離れ下宿生活をしなければなりませんでしたが、どうしてもゴルフを続けたかった私は、周囲の反対を押し切り、入学しました。

 しかし慣れない生活からか体調を崩したり怪我をしてしまったりと、一年間は低迷した成績が続きました。また二年次に部長という立場に立ってからの責任やプレッシャーは大きなものでした。しかしそれに屈することなく三年の県の春季大会で初めて五位入賞を果たしました。それは今までの五年間の集大成ともいえる堅実なゴルフであり、やっと自分に見合ったプレーができたという達成感で胸がいっぱいになりました。

 ゴルフを通しての高校生活を振り返ると、とても充実していたと思います。中学校時代とは違い、部活動への参加が楽しく感じられ積極的に取り組んでいる私がいました。また学業も疎かにならないように文武両道の精神で日々の授業も集中して受け、偏りのない安定した生活を送ることができました。

 私は来春から県内の企業へ就職します。学生ゴルフではなく、社会人としてアマチュアの競技ゴルフに参加したいと考えたためです。高校で果たせなかった全国大会出場をアマチュアとして実現するのが目標です。

 ゴルフは審判のいないスポーツです。そのため競技者は責任を持たなければなりません。他の競技者、時には自分自身を裁かねばならない場合、判断力や不正を許さない心が求められます。年齢の上下に関わらず、たとえ遊びであったとしてもマナーやエチケットを重視するスポーツであるともいえます。そういった厳しさから、ゴルフとは礼儀正しく嘘をつかない真っ直ぐな心を育成できるスポーツだと考えます。子供のうちにゴルフと触れ合うことで、これらの長所は自然と身に付き、社会に出た時にとても役に立つはずです。それはジュニアゴルファーだった私たちだからこそわかるものだと思います。

 将来私が、家庭を築き父親になる日が来たら、我が子にゴルフを教えたいと思っています。小さな頃からゴルフをやることの素晴らしさを伝えたいからです。また、私をここまで育ててくれた良き親であり師であり、生涯を通してライバルと言える父のような存在になりたいからでもあります。

 私は今「人生」というコースに立っています。それは長く、先の見えないものですが、その中にはさまざまな目標があります。千里の道も一歩から。まずは目の前の目標に向かって一歩一歩進んでいきたい、そう思っています。
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