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競技報告
【1打への集中が栄冠を手繰り寄せた櫻井】
第5日 競技報告:三田村昌鳳 写真:Gary Kobayashi
藤本佳則(東北福祉大)は、間違いなくゲームの流れを握っていたはずだ。
1番ホールで1upと先制してから7番で2upとし、8番でとられたものの11、15番ホールと勝ち3upとした。さらに18、19ホール目(1番)で櫻井に獲られて、その差を1upまで縮められたが、20、22ホール目で再び取り返して、2度目の3upと差をつけた。
流れから言えば、藤本が有利だったはずである。とられても奪い返すという流れで前半18ホールを終えて23ホール目までやってきた。
「いやー。36ホールは、長いですね…」とポツリと呟いた藤本の気持ちは、痛いほど理解できる。
24ホール目(6番)で藤本がボギーとして、櫻井に
獲られる。さらに25ホール目(7番)も、26、27ホール目もいずれもボギーとしてとられた。櫻井が、9ホール残して1upに変わった。

「オールスクウェアになったほうがモチベーションがあがるんだ」と藤本は、自分に言い聞かせていたのだろう。どこかで鼓舞しなければという気持ちがあった。流れを掴んでいたはずと思っていた藤本の蜃気楼だったのかも知れない。
ゲームは、櫻井の1upのまま進んでいく。
「1upでも、自分は2down、3downしているんだという気持ちを捨てなかったんです。相手は、いま最強の選手ですから、そう思っていたほうが、自分としても楽な気持ちで戦えたと思っていました」
33ホール目(15番)で藤本が取り返し再びオールスクウェアとなった。
そして「右のバンカーに入れたのが敗因ですね」と藤本がいった34ホール目(16番)でボギーとして櫻井が1upとリードした。

重いゲームだった。真夏日の真っ青な空と綺麗な三好カントリー倶楽部の風景なのに、この決勝戦のマッチは、とてもとても重い空気が立ち込めていた気がする。

マッチ36ホール目の18番ホール。引き分けでも、櫻井の優勝が決まる。
櫻井は、フェアウェイ真ん中に第1打を落とした。藤本は、左サイドのファーストカット。そこからピンを狙って打ったボールは、強いフォロー風でピン左奥まで行った。およそ7メートル。緩やかに登って、ピン手前1メートルあたりから一気に下るライン。藤本のタッチは絶妙だった。まるでスローモーションを見ているようにゆっくりと転がって、そのマウンドの頂点で止まるかのごとく辿り着き、そこから加速して、さらに加速してカップの真ん中に向かった。
誰もが入ったと思った。藤本本人も確信していた。ところが、その加速力は、さらに増してカップの向こう側にぶつかった。そして真上に飛び跳ねた。飛び跳ねたボールは、ほんの少しの角度を作って、無情にもカップからはみ出してしまったのである。
天を仰ぐ藤本佳則…。これでゲームが終わったと藤本は確信した。天を仰ぐ藤本の姿は、落胆が満ち溢れていた。

櫻井は、試合を振り返っても「なんか全然覚えていないんですよ。記憶がないんです」と言った。普通ならば、どの選手もスラスラと振り返ることができるホールバイホールの内容がすぐに思い出せない。それが試合の読めない展開を物語っているのだろう。1打に必死だったに違いない。
櫻井は「運が良かったのだと思います」といい藤本は「きっと僕には(神様に)まだ勝つなと言われているんでしょうね。勝負の運が、なかったのかな」と語った。

終盤、櫻井のパッティングは「かなり緊張していましたね」というように1メートル、それ以上オーバーすることが、しばしばあった。それをうまく沈めてパーを死守していた。
決着ホールの第2打。「池ごえでエッジまで117ヤード、ピンまで136ヤード。それをフォローだったので125ヤードと読んで打ちました。ピン左からフェードをイメージしていたんですが、ピンに真っ直ぐ飛んで…」と、ようやく思い出せたのは、記者会見の終盤だった。「いままでにない緊張感…それが日本アマというタイトルなんですね」としみじみ語った。


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