最終ラウンドを首位と1打差の2位でスタートした伊藤綾が、4バーディ・3ボギー・1ダブルボギーの73でホールアウト。通算1アンダーパーとし、唯一人、36ホールをアンダーパーで終える見事なゴルフで本選手権初出場初優勝を飾った。伊藤は、今年の関西女子ミッドアマチュアゴルフ選手権に続いて日本タイトルも獲得した。
1打差を追うスタート前、緊張しやすい自分の性格を理解しているからこそ、「後半ダメになる。だから緊張する前に早めに追いつきたい」そう思っていたと伊藤。すると緊張しながらも1番ホールで2.5メートルのバーディパットを決めた。伊藤本人もスタートがキーホールだったというように、その後も3番、6番
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でバーディを奪い、前半は34。独走体制を築いたように思えた。しかし、簡単に勝たせてくれないのが日本タイトル。スタート前の予想通り、伊藤は後半、連続ボギーに加えて最終ホールでまさかのダブルボギー。このダブルボギーには、「さすがにヒヤッとした」そうだが、それでも前半の貯金は逃げ切るには充分だった。
優勝の勝因を伊藤に聞いたところ、「セカンドショットは結構良かったんですけど、全体的にこれがいいというのはなくて、よく耐えたなという感じで2日間やっていました」。
本人は、これがいいというものはないと言うが、耐え抜く力があるという事こそ真の強さだということだろう。ピンチを迎えても最後に勝ち切る力が、今回出場している選手の中で伊藤が最も優れていた。それが優勝という結果にはっきりと表れた。
関西女子ミッドアマチュアゴルフ選手権を制して今大会に出場した伊藤だが、緊張の度合いとしては関西女子ミッドアマの方が緊張していたそう。
「関西女子ミッドは初出場でしたし、決勝も久しぶりの試合だったので、すごく緊張していました。今回の方が後半は崩れたけど、まだ落ち着いてプレーができたと思います」優勝争いに慣れたというわけではないが、まわりの選手たちのレベルも高い本選手権においては、関西の時よりも絶対優勝という気持ちをおさえて、落ち着いてプレーができていたようだ。その落ち着きこそ、ピンチでも耐え抜いた要因なのだろう。
今大会の優勝で2024年の日本女子オープンゴルフ選手権に出場することが出来る伊藤。「すごく日本女子オープンを楽しみにしています」というほどの憧れの舞台だ。憧れの選手は上田桃子という伊藤。もしかしたら一緒にラウンドすることもあるかもしれない。
もちろん、本選手権の連覇も視野に入れる。「一度と言わずに2度3度勝ちたいです」。
今後の伊藤の活躍に期待したい。
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