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競技報告
監督のハッパに燃えた山本隆允
第1日
山本は東北福祉大の3年生だが、これまでアマチュア界では目立つ存在ではなかった。なにしろ東北福祉大学にはアマチュアの屋台骨を支えてきた星野英正(現在はプロ)、宮里優作(同)、谷口拓也(同)といった名うての強豪がいた。山本はこうしたスター軍団の影に隠れていたから目立たなかっただけだ。昨年、夏の関東学生選手権を同僚の藤島晴雄(東北福祉大3年)と争って破れたものの、シャープなゴルフの持ち主という印象を残した。だが、東北福祉大の阿部靖彦監督は、これだけでは満足しなかった。日本アマを前にさんざ、ハッパをかけた。これが効いたのか、山本はこの日、インコースでは5バーディーという離れ業を演じ、後輩の池田、諸藤を抑えて予選前半の首位に躍り出た。『今日はパットの出来がよかったと思います。監督からハッパをかけられて、やる気が出ました』と冷静に感想をもらした。結果は6アンダーパーの66。これは現在プロで活躍している横田真一(専修大OB)が1992年の日本オープン2日目にマークしたアマチュアのコースレコードとタイスコア。生来、温厚な性格が、ここにきて爆発した。その兆候はさきの全国大学対抗戦でみられた。山本は東北福祉大を3連覇、6度目の優勝に導いた立役者になっていたのである。

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