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競技報告
【初優勝の山下は、「勝てるという自信があった」と満面の笑み】
第3日 競技報告:JGA 写真:JGA
首位の金澤志奈に2打差の2位タイで最終ラウンドを迎えた山下美樹(大手前大学4年)は、「スタート前から全く緊張しなかった」という。武器のショットは、「絶好調とは言えなかった」といいながらも、5番までパーを積み重ねると、6番で6メートルのバーディパットを決める。続く7番(パー3)は3メートルのフックラインをねじ込んで連続バーディ。金澤が6番までに4つスコアを落とす乱調もあって、前半を終えて単独首位に立った。第2ラウンドを終えて、「自分の課題はパッティング。それが決まってくれれば…」と話していたパットが決まっての首位奪取にも山下の心が乱れることはなかった。それは、「今日は60台のスコアを出す。それを目標にしていたので、首位に立っていることはわかっていましたが、焦りも緊張もありませんでした」と自らのミッションをクリアすることに集中していたから。14番でこの日初めてのボギーを叩くも、16番(パー5)でしっかりバーディを奪い返し、後続との差をキープして迎えた最終18番。山下はグリーン手前のアプローチを寄せきれず、6メートルのパーパットを残す。これを「最後まで強めのタッチで狙いに行った」と1.5メートルオーバーさせてしまい、返しも外してのダブルボギーは、この日の唯一のミスといっても良い完璧なプレーだった。結局、スコアは目標に届かない71。それでも、通算1オーバーパーで見事に逆転初優勝を成し遂げた。

山下が1日を通して、緊張もせず、心を静かに自分のプレーに集中できたのは、「調子は万全ではなかったのですが、この試合は勝てると不思議な自信がありました」からだという。関西女子学生優勝をきっかけに、気持ちも楽になったという山下は、来年プロ転向を目指す。「次のステージに向けて、この試合で勝てないわけはない」そんな心の余裕が勝利を呼び込んだのだろう。「まだ実感はわかないですが、やっぱり勝つということ、全国大会を制したということは大きいです。次のステージへのステップアップに繋がります」とようやく表情を崩す。

大手前大学勢の本選手権優勝は、山下が初めて。先輩の荒木美友、ライバルの井上りこも成し遂げなかった偉業を「学校の先生方は、荒木先輩、井上さんと惜しいところで優勝を逃してきたので、自分に大きな期待をかけてくれたと思います。それに応えられたことも嬉しい」と最後に満面の笑みを浮かべた。


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