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競技報告
【中野はプレーオフ3ホール目でスーパーショットを決めて初戴冠】
第4日 競技報告:三田村昌鳳 写真:Y.Watanabe / S.Osawa
ゴルファーの心は、揺れ動く。ゴルフは自分との戦いといわれるけれど、まさに最終ラウンドの中野麟太朗のゴルフは、心が何度となく揺れ動き、逡巡し、それを修正しながら勝ち抜いたというゲームだった。結果は、プレーオフ3ホール目を経ての優勝だ。

中野は、スタート前の練習場で「(首位に立って最終ラウンドを迎えるから)いろんな人から注目され、視線を浴びる自分がいたんです。練習していてもボールがバラつくし、なんかおかしな気分だったんです。“いけないいけない。こんな気持でやっていて、いいのか。自分は、いまなにをしに来て、なにをしたいのか”そう自分に言い聞かせたんです」気をとりなおしてスタートした。2番でボギ
ーが先行した。「正直、不安でしたね」その不安な気持ちが、ピンチを招く。ゴルフは心に正直だ。

5、6番とティーショットを曲げて、林の更に奥。その2ホールをなんとか耐えて、凌いでパーに収めた。逆に、心が静まった。本来の自分のゴルフでいこう。それが7、8、9番の3連続バーディに繋がった。アドレナリンが吹いてくる自分がいた。10番でボギー。「アホなゴルフでした。110ヤードを54度のウェッジで打ったんですが、ダフりました」それから自分を冷静に戻した。4ホール、パーが続いた。そして15番では「下りの4メートルをよく沈められました」というバーディ。さらに16番でもバーディ。17番(パー3)にやってきたときに「ここをパーなら勝てる」という自信に変わっていた。中野にとって、問題の18番(380ヤード・パー4)。距離が短いパー4だけれど、グリーンは、左にグイッと曲がっていて、右は広い。左サイドのフェアウェイは狭く、木々が茂っている。通常なら刻む選択肢がある。「ここでまた、ふと浮かんじゃったんですよね。アイアンを手にするか、ドライバーを手にするか。ドライバーを手にして、最後をバーディで飾って勝ちたい。いや、アイアンで堅実に攻めて、パーでもいいから、勝ちにこだわりたい。その両方を考えて、自分らしい勝ち方って、ドライバーだろう」と欲が出た。

バーディで勝ちたいという気持ちが勝った。勝つことも大切だけれど、自分らしいゴルフもしたい。そんな欲の塊から、結果的に、ドライバーを左に大きく曲げて、小さな山のマウンド超えにアプローチも右にオーバーさせて、3オン。のこり4メートルを外してのボギーだった。
プレーオフである。

ホールアウト後、スコアカード提出所で「なんでドライバーを手にしたのだろうと後悔したんです。でも、こんなメンタルならプレーオフに負ける。ともかく試合が終わってから反省しよう」と切り替えた。相手は、鵜瀬だった。プレーオフ2ホール目をすぎて「彼が崩すという未来が見えなかったんですね。ならば、粘って粘ってチャンスを待とう。勝つことだけを考えました。負ける気もしませんでした」3ホール目にチャンスがやってきた。400ヤード、パー4の10番。第1打を3番ウッド。ラフからの残り145ヤードを「ピッチングウェッジか50度のウェッジかと迷って、ここは小細工せず、50度でフルスウィングしよう!」と決めた。それがカップ横50センチについた。鵜瀬は、3オン。あわや入りそうなアプローチだったけれど、外れた。中野麟太朗の優勝が決まった。

彼は振り返る。「(プレーオフの)プレー中も、これまで僕を支えてくれた方々の顔が浮かんできて、これで恩返しができるかも知れないと思いました。思わず、目頭が熱くなりそうでした」と両親やトレーナー。そしてコーチの感謝の気持ちでいっぱいだった。中野の今大会出場は、地区アマで上位に入れず、一発勝負の1日の予選会を経ての優勝である。身長184.5センチ。高校時代は66キロしかなかった体躯を、トレーニングで80キロ台にしてくれたトレーナーやコーチ。支えてくれた両親に「ほんと。ほんとに感謝しているんです」と、再度、語ってくれた。刻々と揺れ動く心の戦いが終わり、夜は、なにも考えずに爆睡できる、だろう。

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