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+ 【2016年度(第49回)日本女子オープンゴルフ選手権 プレイバック②】
[2020/07/26]
前半の2日間のプレーを終えて、若手世代と韓国の実力者が上位を占める中、アマチュアで本選手権初出場の長野未祈が2位につけるなど、次世代の選手の活躍が注目を集めました。そして迎えた後半、今では黄金世代と呼ばれる当時10代の選手がさらに輝きを放ちます。プレイバック後編は、日本女子ゴルフ界に新たな歴史が刻まれた後半のラウンドを長野と畑岡奈紗のアマチュア2人と堀琴音、柏原明日架らのプレーを中心に振り返ります。

第3ラウンドは空を覆う雲のように重苦しい雰囲気に包まれた。
通算5アンダーパーで単独首位に立つ堀琴音と、1打差2位につけた長野未祈の最終組のプレーは、一つのミスが大きくスコアを落とす厳しい
コースセッティングの中、得も言われぬ緊張感を漂わせてプレーを進めていく。前半は堀が1バーディ・1ボギー、一方の長野もボギースタートながらその後に立て直し、2バーディ・2ボギー。
両者パープレーで一歩も引かない。息詰まる攻防の中迎えた後半、長野が10番でバーディを奪い、首位に並ぶも14番でボギー。堀も15番でスコアを落とし両者通算4アンダーパーで迎えた最終ホール。堀がティーショットを左のハザードに打ち込むミスでボギーを喫する。それに対して長野がバーディパットをねじ込み、通算5アンダーパーで単独首位に立った。
ナショナルオープンでの最終組でのプレーを前に前夜は「頭の中で今日のラウンドをイメージしてから眠るのですが、昨夜は何故か頭が冴えてしまって…よく眠れませんでした」と、苦笑いを見せた高校1年生。その言葉とは裏腹に、ムービングデーのプレーぶりは堂に入ったものだった。
1歩後退して2打差から逆転初優勝を狙うことになった堀は、躍進を支えてきたパッティングに陰りが見られた。「8番で7メートルのフックラインを決めた時に、これはいけると思ったのですが、9番で2メートルを外して…そこから決めきれなかった」と唇を噛む。しかし、最終ホールでこれまで苦しんできた3メートルを沈めたパッティングは、明日の最終ラウンドにほのかな光をさすものに感じられた。
長野のアマチュア優勝を阻むことが期待されるのが堀と同じく2打差の2位タイに順位を上げた柏原明日架。前半で1つスコアを落とした柏原だったが、落ち着きを失わず、後半で3バーディ・1ボギーと盛り返したプレーは、初優勝のチャンスを目前で掴みそこねた昨年の柏原とは違う姿を印象づけた。特にグリーン周りの雨上がりの思いラフから3メートルに寄せて決めきった最終18番のパーセーブには、本人も「気負いも気後れもなく平常心で目の前のプレーに集中できた。自分の成長が感じられた」と納得の表情。昨年の悔しさを糧に波風立てない心の強さを求めてきた柏原。その成果を感じて迎える最終ラウンドに、改めて柏原の真価が問われることになった。そして、本選手権の最終ラウンドに主役を演じることになるもうひとりのアマチュアは、16番から3連続ボギーを叩きながらも、首位と4打差の5位タイから運命の18ホールをスタートすることになった。

快晴微風の絶好のコンディションでスタートした最終ラウンド。
最終組でのプレーとなった単独首位の長野と柏原は、序盤から苦しい展開を強いられた。ここまでの好調なプレーが影を潜めた長野が2番でボギーを叩くと、6番ではダブルボギー、8番もボギーを喫し前半で4つスコアを落として優勝争いから脱落すると、柏原もスタートでダブルボギーを叩くなどして後退。
変わってゲームの流れを掴んだのは、最終組の一つ前でプレーする堀だった。3番に続いて7番でバーディを奪い、通算5アンダーパー。前半を終えて、単独首位に躍り出た。このまま、申ジエ、チョン・インジ、鈴木愛ら実力者がジリジリと首位との差を詰めてくる中、一気に後続を突き放したいところだったが、11番で1メートルほどのパーパットを外すと、12番でも同じ距離を決めきれず連続ボギーで、さらに優勝争いは混迷を極めた。その中に割って入ったのが、畑岡奈紗だった。
畑岡は前半を1バーディ・1ボギーのパープレーで凌ぐと、10番でバーディ。12番から連続バーディを奪取し、通算4アンダーパーにスコアを伸ばしてきた。16番(パー3)はボギーとしたものの、息詰まる緊張の中、最終18番で完璧なティーショットでフェアウェイをヒット。7番アイアンの2打目はピン右奥4メートルにつけた。4日間キャディを務めてきた母親と慎重にラインを確認する。強烈な下りのフックラインで親子の意見は一致した。「外したら3メートル…4メートルもオーバーするようなラインでした。カップインさせることだけを考えて。あとはなるようにしかならないと自分に言い聞かせた」と強めに打ち出された運命のバーディパットは、ホールカップに沈んだ。2度3度と握りこぶしを固める畑岡。
その一方、堀もまた運命のホールを迎える。17番490ヤードのパー5。18ホールで1番の難ホールを堀は3日間1バーディ・ノーボギーでしのぎきってきた。難しくはあるが、苦手ではない。堀自身も「相性が良いホール」という17番のティーショットは、その言葉とおりフェアウェイを捉えた。ピンまで220ヤード。グリーン手前に広がる池を越すにはキャリーで190ヤードの2打目を前に、畑岡が首位タイに並んでいることを知らなかった堀は迷うこと無くレイアップを選択し、パーで切り抜けることを最優先にしたマネジメント。しかし、堀はこのホールでボギーを叩き、ついに畑岡の名前がリーダーズボードの頂きに置かれた。最終ホール。1打リードされている現実を知った堀は、10メートルのバーディパットを決めきれず、この瞬間に、畑岡が宮里藍の大会史上最年少を更新する史上初のアマチュア優勝が決まった。
畑岡奈紗の名が知られるようになったのは、2014年の日本ジュニアゴルフ選手権。この年、女子ツアー史上最年少優勝を果たした勝みなみに注目が集まる中、畑岡は2日目を終えて通算11アンダーパーで勝に6打差をつけて単独首位に立った。しかし、最終ラウンドに畑岡が3つスコアを落としたのに対し、勝が67の5アンダーパーをマーク。初の全国タイトルを目前にしながら、惜敗を喫した。このときの悔しさは、両親の目にも畑岡を変えたという。
JGAナショナルチームメンバー入りすると、ガレス・ジョーンズヘッドコーチの薫陶を受け、様々なカリキュラムに真摯に取り組み、中心選手の一人に成長。ついには、誰もなし得なかったナショナルオープンのアマチュア優勝という快挙にたどり着いた。USLPGAツアーに参戦後は1年目こそ、慣れない環境とコースに本来の実力を発揮できずにいたが、2018年シーズンにはUSLPGAツアーで初勝利をおさめ、翌シーズンには年間3勝に加えて日本女子オープンと日本女子プロゴルフ選手権のダブルタイトルを獲得し、黄金世代と称される選手たちを代表する選手になった。ご両親が「前人未到のことを達成して、世界を舞台に活躍できるよう」に願ってアメリカ航空宇宙局のNASAになぞらえて名付けたという名前の通り、畑岡は世界に飛び出し、自身の可能性を広げ続けている。

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