2001 MARCH vol.65
 戦後、荒廃しきった六甲山は、国立公園に指定され、蘇生への道を歩み出す。国内は、1955年(昭和30年)以降にゴルフブームが訪れ、ゴルフ人口の増加、ゴルフ場の増設など身近なスポーツとして日本人の間で認識されることとなり、神戸GCもコースの大改造、女子キャディの採用などのリニューアルへと踏み切った。

 21世紀を迎えても、神戸GCは開場時の原形をとどめたままの姿を保っている。1、2、3、6番ホールは開場当時と変わらぬまま存続し、また、スコアカードやローカルルールは英文で記入されている。現在のメンバーは628人。会員の資格は、本人から奥さん、お子さんへと受け継がれ、会員全員がファミリー感覚で和気藹々とクラブライフを満喫している。また、減りつつある外国人のメンバーを維持しようという動きも見せている。

 神戸GCは、この1世紀の間、六甲山上から日本のゴルフ界の変遷を見届けてきた。時流の波に揉まれ、時には呑み込まれそうになりながらも、開場当時の精神を貫いて現在に至る。質素で、温かくて、心からクラブライフを楽めるコミュニティーがそこには広がっている。


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