2007年度(第72回)日本オープンゴルフ選手権競技
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競技報告
【谷口徹が猛烈なラストスパート。6アンダーパー66で逆転優勝】
第4日 競技報告:西澤 忠    写真:Gary Kobayashi
今大会の主役を張り、優勝候補ナンバーワンの呼び声の高かった片山晋呉がいる最終組から2組前、谷口徹のスタートダッシュが凄かった。1番右のラフから3メートルにつけてバーディーを奪うと、2番、グリーン右手前のバンカーからチップインのバーディー。1オーバーパーをいきなり1アンダーパーに塗り替える、鋭い出足なのだ。その後、パーを重ねて、またもや6番からは3連続のバーディー。この時点で、1番をボギー、5番バーディーで足踏み状態の片山を抜き、通算4アンダーパーの首位に躍り出るという、アッという間の逆転劇だった。

「前半2ラウンドを片山選手と同組でプレーしたが、ミラクル・パーパットをどんどん入れるし、そ
うとうに気合いが入っているな!と感じた。1年前からこのタイトルに照準を合わせていると公言するほど。僕など1週間前から準備して、目の前の試合しか見えていないのだから、唖然とするしかなかった」という。それほど、片山を中心にして大会は進行していたのだが、最終ラウンドの18ホールを残す段階で、“よーい、ドン”のピストルが鳴った瞬間に、するすると抜け出した谷口が片山の前を快スピードで走り抜けたのだ。

その快進撃には、いくつかの谷口流攻略術があった。そのひとつはティショットにクリーク(5番ウッド)を多用する戦略。「ドライバーを振ると、17~20ヤードしかないフェアウェイ幅にボールは置けない。ラフに入ったらどんな球筋が出るか分からない。よし、それなら自信のあるクリークでいこう!」と、パンチショットを練習したという。意識的に低い球筋のティショットをすれば、「滞空時間が短く、ドライバーより早く着地してくれるので、気持ちに余裕が生まれ、フェアウェイキープが出来る。ラフに入れるより、第2打の距離が残ってもアイアンに自信があれば有効だろうと思ったのです」と試合後に解説してくれた。

たとえば9番ホール(484ヤード・パー4、この試合の難度2位)。ここでは、たまたま4番ウッドのティショットになったが、フェアウェイを捉えると2打目は7番アイアンでレイアップ。残り距離126ヤードを「9番アイアンのカット・ショットでピンそばに止める自信があった」というファインショットで、パーに収めたのだ。テレビ観戦した人ならお分かりだろうが、選手がティショットすると茶色い土煙が巻き上がったはず。これはフェアウェイウッドでボールを潰して打った証拠で、今大会のティグランドでは当たり前の光景なのだ。それだけ選手はフェアウェイキープに翻弄され、知恵を絞って戦ったのだ。

最終日のイン9ホールを“サンデーバック9”と呼ぶが、ここでも谷口の戦略は巧妙だった。2バーディー・2ボギーで、4アンダーパーの首位をキープして向かえた最終18番(556ヤード・パー5)でも、クリークの土煙を二度上げる攻略法を初志貫徹、残り第3打で79ヤードを残す戦略。グリーン左エッジに5ヤード、奥行き12ヤードという難しい旗の位置に寄せるにはサンドウェッジなら可能だろうという谷口の老獪なストラテジーなのだ。1.5メートルのバーディパットを沈めた瞬間、この日何度も見せたガッツポーズをより一層力強く腕を突き上げて見せた。奥歯を噛み締めた谷口の表情は、茨の道を4日間歩いた末の修行僧のように凛々しく、しかも輝いていた。“山越せば、花咲く村あり”という諺通り、苦労の果てに馥郁たる花の香りを嗅げる、ただ独りの勝者となったのだ。

しかし、谷口の解説によると、そこにも彼の戦術があり、「後続組の片山選手に、スコアボード上に僕の“-5”という数字を見せたかった。それがトドメのバーディーですから」と老獪な戦術を駆使したのだった。事実、片山はこの日、2バーディー・2ボギーのパープレー。昨日、「明日は3アンダーパーのままでは勝てないだろう」と自ら予言した言葉通りになってしまったのだ。

思えば、最終ラウンドになって熾烈な戦いを展開、上位に顔を揃えた3選手は過去の日本オープンチャンピオンばかり。2003年大会(日光)が深堀圭一郎でこの試合3位。2005年大会(廣野)が片山晋呉で2位、そして2004年大会(片山津・白山)が谷口徹で、2度目の優勝というのだから、経験がモノを言う結果なのだ。3日目にベストスコア69をマークして話題を集めた小田孔明がこの日、8オーバーパー80と崩れたのも経験の浅さを露呈した結果だろう。ナショナルオープンとは、出場する全選手に“熱い闘志と技術の真価を問うゲーム”である…という意味が全国のゴルフ・ファンにアピールできた大会だったろう。試合後のパーティに出席した谷口が、「来年の古賀GCでも勝てるように頑張ります。片山選手のことを見習って、1年前の今から準備をして連覇したい!」とスピーチした。

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