2009年度(第74回)日本オープンゴルフ選手権競技
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真の勝者に求められる厳しい条件 塩原 義雄(JGAオフィシャルライター)
片山晋呉写真 片山晋呉の連覇なるか
 ディフェンディングチャンピオンの片山晋呉が連覇で3度目の優勝を狙う。
昭和2年、程ヶ谷で産声を挙げた日本オープンゴルフ選手権。今年は数えて74回大会となる。第1回大会で優勝したのは、アマチュアの赤星六郎だった。以来46選手が、その名をカップに刻み込んできた。
複数回優勝者が16人いる。最多の6勝は宮本留吉。次いで5勝は尾崎将司。さらに4勝の中嶋常幸、3勝の小野光一、中村寅吉と続く。そして2勝しているのは、浅見禄蔵、林由郎、小針春芳、戸田藤一郎、杉本英世、橘田規、セベ・バレステロス、青木功、尾崎直道、谷口徹、片山晋呉の11選手である。
 最高峰のナショナルオープン。大会3連覇を果たした選手はいない。最初に連覇したのは宮本で第3回、4回大会と8、9回大会と2度の連覇が記録されている。その後は、複数回優勝者はいても、連覇する選手は、なかなか現れなかった。
偉業達成者は、スペインの若き天才バレステロスまで待たなければならない。
昭和52年、53年の第42、43回大会だった。大戦での空白を含めて、実に42年ぶりの快挙であった。バレステロスに続いたのが中嶋で第50、51回大会で成し遂げている。しかも、中嶋は第55、56回大会で2度目の連覇を果たす。史上2人目の複数回連覇だった。そして、この間に尾崎将司が53、54回大会を連覇していた。
特筆すべきは、その前後の10年間であろう。第48回大会で青木功が大会初優勝してからの10年だ。この青木と中嶋、尾崎将が優勝を分け合い、3選手以外では第49回大会の上原宏一の名前があるだけで、AONだけで9勝している。日本オープンにも刻まれた大きな時代ではある。
 AON時代の後のゴルフ界は、戦国時代と呼ばれてきた。その中で第64、65回大会を連覇したのが尾崎直道だった。片山が今大会で連覇を果たせば、尾崎直道以来で史上6人目ということになる。
コースに選ばれし者たちの戦略、戦術
 「あれがなかったら、その後の自分はなかった」と語ったのは、青木功だった。
“あれ”とは、3度の悔しい思いである。昭和45年の第35回大会。武蔵CC笹井コースが舞台だった。青木は、最終ラウンド最終ホールまで橘田光弘とトップに並んでいた。
その最終ホール。橘田の5番アイアンでの第2打が「自分にとっての生涯ベストショットを挙げるなら、あの1打」(橘田)という会心のショットとなって、バーディーにつながり、青木は涙を飲んだ。第38回大会(茨木CC西コース)でも、優勝に最も近い位置で戦っていた。
ところが、これまた最終ラウンド最終ホールで悲劇が待ち構えていた。
右ラフからグリーンを狙った第2打が大きくフックして池に飛び込んでいった。ベン・アルダに優勝をプレゼントすることになる痛恨の1打であった。
3度目の悔しい思いは、その翌年の39回大会(セントラルGC東コース)。激しいライバル意識を燃やしていた尾崎将司に先を越されてしまったのだ。

コース写真 プロ野球界からゴルフ界に転じてきた尾崎は、その圧倒的身体能力の高さで凄まじいまでの飛距離をみせつけていた。青木は、飛距離でも尾崎に対抗しようと、フックボールで攻め続けていた。尾崎と同じパワーゲームでの戦いを展開させていたのだった。ところが、肝心なところで、そのフックボールが致命傷になり、さらに尾崎にも先に日本オープン初優勝をさらわれてしまった。

 「そこで、真剣に考えさせられたんだ。ヤツ(尾崎)と同じスタイルを追求していっても、ヤツには勝てない。自分には、もっと違う自分にふさわしいスタイルがあるんじゃないかってね」

 ティーインググラウンドから攻めのゴルフを展開するのではなく、ホールロケーションによってグリーンのどこからパッティングするのが最もホールに沈めやすいのか。そのポジションにボールを止めるには、フェアウェイのどこから狙えばいいのか…
後に“逆算のゴルフ”と呼ばれるようになる青木スタイルの出発点だ。グリーンから逆算してルートを決め、狙い打ちしていく。リスクを伴うフックボールはそれを求められる状況であれば、即座に引き出しから出せる状態を保持しながら、持ち球をコントロール性が高いフェードボールへと切り替えていった。

 昭和58年の第48回大会(六甲国際GC)。青木は、プレーオフに臨んでいた。そして、グリーン左サイドに立っているピンに対して4番ウッドで、さらにピンの左からのフェードボールで攻めるウィニングショットを放った。青木スタイルを作り上げようと心に決めてから9年の歳月が流れていた。青木の場合、初優勝までそれだけの準備期間が必要だったということなのであろう。

日本オープンという大舞台、武蔵CC豊岡コースのセッティング。
どんな戦略で舞台に立ち、どんな戦術で豊岡コースに立ち向かうのか。
 日本オープンは、そのコースセッティングで選手たちの全ての能力を引き出そうとする。
同時に、勝つためには、さらに何が必要なのか。
選手個々に、足りない部分を認識させる大会であるともいわれる。
綿密な戦略、戦術、そして高い総合力、強靭な精神力が試される舞台でもある。
 平成19年の第72回大会。谷口徹が2勝目を挙げた。相模原GC東コースを舞台にした大会で谷口は5番ウッド活用作戦を展開したものだった。
「このコースとセッティングでは、フェアウェイをキープすることがスコアメイクの大前提。ドライバーを使うホールを限定して、あとは、5番ウッドで確実にフェアウェイをとらえること」。それが、谷口の戦略であった。確実にフェアウェイをとらえて、なおかつ距離も出さなければならないホールでは、低い弾道でラインに打ち出し、ランも加わるショットを放つ。そして、グリーンを狙うときは、同じ5番ウッドで今度は高いフェードボールを放ってスピン量を増やして止める。高い技術に裏付けされた戦術が駆使された。
 昨年大会の片山は、もっと徹底していた。ドライバーをバッグから引き抜いてしまうという思い切った戦術で臨んだ。そして、ただひとりアンダーパーをマークしての大会2勝目を挙げたことは、まだ記憶に新しい。己を知り、コースと会話を交わしながら、戦略を練り、最適の戦術で臨む。勝者は、コースに選ばれた選手に落ち着くということであろう。
谷口徹写真
第72回大会で2勝目を挙げた谷口徹
 日本オープンという大舞台、武蔵CC豊岡コースのセッティング。どんな戦略で舞台に立ち、どんな戦術で豊岡コースに立ち向かうのか。ディフェンディングチャンピオンの片山は「日本オープンには、謎解きに似た楽しみがある。戦いは、開幕前から始まっているし、始めなければならないと思ってきた」と語っている。選手たちの1打の背景にまで思いを馳せれば、観戦者もまた、ゴルフの奥深さを知ることになる。
石川遼、池田勇太ら若い世代の台頭
石川遼写真
ドライバーショットにも一層の磨きがかかる石川遼 日本プロ、日本オープン同一年度制覇への挑戦になる池田勇太
 石川遼、池田勇太を筆頭にヤングジェネレーションが押し上げてきている。
昨年、単独2位に食い込んだ石川は、片山とは対照的に「パー3以外のホールは、全てドライバーでティーショットする」と明かし、実践してみせた。
「僕には、フェアウェイウッドや2番アイアンなら確実にフェアウェイを捉えられるという技術はない。だから、一番自信のあるドライバーで思い切り振り抜くしかありません」。石川にとっては、それが最善の選択だったということだ。
マスターズ、全英オープン、全米プロと世界のメジャートーナメントを経験して、昨年よりもずっと引き出しは増えている。同時にドライバーショットにも一層の磨きがかかっている。「これが、今の自分のゴルフスタイル」と、徹底してドライバーを振り抜く。それもまた、ゆるぎない戦略ではある。
 池田は、日本プロ、日本オープン同一年度制覇という快挙への挑戦になる。
昨年の片山に続いて2年連続で偉業達成者が誕生するのか。アマチュア時代には、日本オープンで二度のローアマチュア経験がある。
今度は、プロとして優勝と飛躍するか。
 秋口になって調子を上げてきた矢野東、谷原秀人はじめ、大会3勝目を狙う谷口や今季好調のショットメーカー藤田寛之、平塚哲二らのプレーも見逃せない。
 この他、アマチュアからも昨年のローアマチュアで今年8人目の日本学生連覇を果たした大田和桂介、悲願の日本アマ優勝を果たした宇佐美祐樹ら大学生、中学生で日本アマランナーアップで一躍注目を集めた伊藤誠道、日本ジュニアを制した松山英樹、日本アマ3位の川村昌弘ら高校生と、若い世代の選手の出場が決定している。彼らのローアマチュアをめぐる争いも注目を集めそうだ。
矢野東写真 谷原秀人写真 大田和桂介写真
大田和桂介
宇佐美祐樹写真
矢野東 谷原秀人 宇佐美祐樹
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