2010年度(第75回)日本オープンゴルフ選手権競技
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大会のみどころ 愛知カンツリー倶楽部が舞台、勇者・賢者の戦い
ブラインドホールの妙
牧野ケ池緑地に展開する18ホールは、丘陵・林間コースとも称するべき地形がそのまま生かされている。名匠・井上誠一が、この地形を「天然のゴルフ用地」と気に入り、できるだけ手を加えずに設計したからである。ティーインググラウンドから林越え、丘陵越えになり、落下地点を見ることができない、いわゆるブラインドホールがいくつかある。どこを狙って、どんなショットを打っていくか。かなり正確なターゲット設定が求められる。「あの木の上」というのでは、絞り切れていない。「あの木の、あの枝の右からドローで」というぐらいにシビアなコントロールが必要なのだ。
それというのも、落下エリアが傾斜していたり、深いラフで狭められたりしているからである。
手応え十分でも、確実にフェアウェイをキープできているかわからない。キックが悪ければ、ラフに飛び込んでしまうこともある。万全を尽くして、あとは天に任せる。そして結果を素直に受け入れて、次にまた最善を尽くす。
実は、これがゴルフの原点であった。幸運に恵まれることもあれば、不運に見舞われることもある。有頂天になることもなく、クサることもなく、平然と“あるがまま”を受け入れ、心に波風を立てることなくプレーを続けるべし…井上誠一は、きっと選手たちにどこかから語りかけてくるだろう。
神経消耗戦
日本オープンは、ナショナルチャンピオンを決める大会だ。 パー5、パー4、パー3。スコアカードに記入される数字に小数点以下はないが、実は、スコアカードに表れないコンマ以下の戦いこそが、ただ一人の勝者を決定することになる。
技量+戦略+マインドコントロール+運。
ゴルファーの人間力(総合力)が問われる。
ボールがスッポリと埋まるラフ、硬くて速いグリーン。日本オープンならでは…とよく言われるタフなコース設定は、そこに挑む選手たちの全ての能力を引き出し、それをもってただ一人の勝者を決めるのにふさわしい舞台作りである。
そこには、目に見えない神経消耗戦が続けられる。スコアの内容が、選手たちの気持ちを
ときに大きく、ときに小さく揺さぶる。それが、18ホール、36ホール…72ホールと続くと、
コンマ以下の戦いが、トータルでは1打、2打の差となって現れる。
青木功・尾崎将司・中嶋常幸 勇者のゴルフ、賢者のゴルフ
日本オープンでは、平成6年(四日市)の尾崎将司を最後に
AONが優勝カップを手にすることはなくなった。
その後平成11年(小樽)、12年(鷹之台)大会での尾崎直道の
連覇が光る。
そして、谷口徹、片山晋呉に代表される賢者型ゴルフが日本オープンでの主流になった。
賢者型は、青木功型と言い換えてもいい。グリーンから逆算して攻めやすきに攻める。リスクマネジメントも徹底する。
例えばグリーン右端に近いところにピンが立っている。バンカー越えだ。そしてグリーン右サイドは下り傾斜で深いラフ。第2打で手にするのはミドルアイアンだとしよう。ここで青木型なら、まずリスク回避を考える。ピンを狙って右にはずれたら、寄せるのは難しい。グリーンセンターにストレートボールで確実に乗せて、パッティングに勝負をかける。もしくは、着実に2パットのパーでストレスを感じることなく次のホールに向かう。

一番確実で、寄せやすいところといったら、あのバンカーしかなかったんだよ

青木の全盛期、こんなシーンを目撃したことがある。距離のあるパー4だった。第2打で4番ウッドを手にしていた。そして、グリーン左手前のバンカーに打ち込み、そこから寄せてパーで切り抜けた。ホールアウト後に聞いた。バンカーを狙って打ったように思えたからだ。答えは、こうだった。
「あのグリーンは奥行きが狭いし、しかも奥に速い。だからバフィーで直接グリーンに落としても奥のラフまで転がってしまう。だからといって、左右にはずしたら、ラフが深くて寄せられない。一番確実で、寄せやすいところといったら、あのバンカーしかなかったんだよ」
賢者のゴルフである。

さて、グリーン右端に近く、バンカー越えにピンが立っている状況で、右サイドは危険ゾーン。青木型なら、グリーンセンターを狙うと書いた。では、勇者のゴルフ型だったら、どうするだろう。勇者のゴルフを尾崎型と置き換えたい。
「この状況だったら、ほとんどの選手はピンを狙ってこない。パーでよしとする安全策をとるはず。だったら差をつけるチャンスだ。高いキャリーボールでピンを真上から狙ってやる。最高のショットの見せ場だ」
これが、尾崎型の思考で、最高の結果だけをイメージして1打に集中する。ミスしたら…とは、考えない。結果的にミスしたら、それはまた次のショットでベストを尽くせばいい。常に最高のパフォーマンスを意識し、実践していく。
勇者のゴルフである。

石川遼、池田勇太世代 vs 藤田寛之、片山晋呉世代
AON後、一昨年までは、賢者のゴルフが日本オープンの勝者を生み出してきた。昨年、その流れに大きな変化が現れた。難しい設定のコースでも守るのではなく攻める。攻め抜くというスタイルの小田龍一、石川遼が、ステディーなゴルフが持ち味の今野康晴と三つ巴戦を展開し、プレーオフの末に小田が初優勝した。
小田も石川もドライバーのフルスウィングで果敢に攻め抜いた。小田は言っていた。「ドライバーでコントロール?3番ウッドでセイフティーに?それも考えはしました。でも、僕は、それをやると、かえって曲がってしまうことが多いんです。下手くそですから。だったら、曲がってもいいやって割り切って、ドライバーをフルスウィングしていった方が、自分のスタイルで気持ちよくプレーできるでしょうから、ガンガンいきました」

石川のゴルフは、冒険と可能性への挑戦

今春の中日クラウンズ最終日、石川は徹底した攻めのゴルフで58をマークし、大逆転優勝を果たした。藤田寛之、宮本勝昌ら抜き去られた選手たちは「自分たちには考えられない異次元のゴルフ」と、呆れ顔で石川のプレーをそう評していた。「異次元のゴルフ」という表現の中には“怖いもの知らず“といった意味合いが含まれていたように感じた。
尾崎は、自分のゴルフスタイルを「飽くなき探求心と冒険心で夢の追求」と語っていた。
石川のゴルフは、冒険と可能性への挑戦であろうか。怖いものしらず…ではない。怖くない。むしろ楽しいのだ。そして、理想の1打が18ホールにわたって紡がれたとき、とてつもないスコアとなって現れる。もちろん、すべてがうまくいくわけではない。ときには痛い目にも合う。それでも「できると信じて思い切ってやった結果だから」と、あっさり受け入れてダメージを残さない。神経の消耗戦にも強い。
石川には、もうひとつの挑戦が待っている。日本オープンの最年少優勝記録は19歳10カ月の浅見緑蔵(昭和3年、第2回大会)で、石川にとっては今大会が最後の更新チャンスになる。日本アマの予選落ちで悔し涙を流した愛知カンツリー倶楽部でリベンジを果たし、記録も塗り替えれば、感激も倍加しそうだ。
  石川遼
池田勇太・薗田俊輔

勇者のゴルフ志向が強い若い世代の選手たち

この石川はじめ、池田、薗田俊輔らの若い世代の選手たちは、勇者のゴルフ志向が強い。池田にとっての尾崎は、どこまでいっても「憧れの人」。ゴルフスタイルも当然、尾崎型である。攻撃型ゴルフでは、薗田もひけをとらない。ルーキーイヤーでいきなり優勝をさらい、早々とツアーの主役のひとりへとのしあがった。久しく鳴りを潜めていた勇者のゴルフが、石川、池田の登場で再び脚光を取り戻し、薗田もこれに加わったことで賢者のゴルフを追い落としそうな勢いにある。

藤田、谷口といった40代にはいったベテラン、片山、宮本、横尾要ら30代の年齢的には中堅にあたる選手たちは、経験に培われた危機察知能力がある。それが賢者のゴルフの一方の支えになっている。ゴルフの怖さを知った上で、そこに自らを陥らさないようにする綿密な戦略と高い技術が、もう一つの支えであることはいうまでもない。

勇者のゴルフか、賢者のゴルフか。今大会の勝者は、どちらのプレースタイルから生まれるのか。

片山晋呉 谷口徹 藤田寛之・宮本勝昌
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