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競技報告
【初優勝の小袋秀人は「このタイトルが一番の親孝行」】
第5日 競技報告:三田村昌鳳 写真:Gary Kobayashi
36H目の18番ホール…。
比嘉一貴に1UPのままやってきた36H目の18番ホール…。
小袋秀人は、3打目をピン左手前2.5メートルにつけた、比嘉は第2打を右の深いラフにいれて3打目もグリーンに乗らず4オン。ピン奥7メートルに付けていた。
比嘉のファーストパットは、ホールを通りすぎて1メートル近くオーバーした。小袋は、2パットでこのホールも勝てるという場面だった。つまりは2upで優勝という直前である。
そのとき、小袋は帯同キャディを務めている父・和浩さんとピンと反対側のグリーン左サイドに歩いていった。ふたりで、ほんの数秒、なにか会話をしている。小袋は、足早に自分のボールの位置に戻りアド
レスしてパッティングした。残念ながら1パットで沈めることはできなかったが、2upで小袋の初優勝が決まった。
「まだ終わるわけじゃないから、エキストラでもう1回、36ホールあると思えよ」というのが、父親のアドバイスだった。

振り返れば、小袋が幼い頃、自宅前の空き地を駐車場にしていた、ほんの僅かなスペースを20ヤードの練習場にしたのは、小袋がゴルフを始めてからである。子供の頃「ほとんど1日中、そこにいました。そこでお昼ごはんを食べたり(笑)。父とは、それからずっと2人3脚でここまでやってきたんです」
36Hの決勝戦は、とても苛酷である。
ここまで進むために、2日間36ホールのストロークプレーの予選を突破し、さらに1日で18ホール・マッチプレーの1、2回戦を戦う。そして翌日、また準々決勝、準決勝と18ホールを2回こなす。それを勝ち抜いて今日の36ホール・マッチプレーの決勝戦となる。
だから「やっと終わった」と小袋が第1声を発するのも無理はない。

「朝から、きっとプレッシャーがあったのだと思います。ですから内容的には、あんまりよかったとは言えなかったですね。バーディは…確か、1つかなぁ」
苦戦を強いられた。それは対戦相手の比嘉一貴も同じだったはずだ。
「朝、プレッシャーを感じながらも、自分としては、やるしかない! と言い聞かせました。確かに、疲労は溜まっていましたが、最後は、意地とプライド…これしかないと思います」
プレーを振り返ると、まず出だしの3番で小袋が1up。これは比嘉のボギーのお陰だ。すかさず4番で比嘉が取り返す。オールスクウェア。これは小袋のボギーだった。
その繰り返しに近いものがあった。1up以上離れたのは、小袋が12番を獲ったときである。それも次のホールで1upとり15番でオールスクウェア。そして、ちょうど18番で小袋が獲り1upとして19H(再び1番)へと向かう途中、小袋は「あー、これで終わってくれないかなぁ」と笑顔で通り過ぎた。彼の足取りも、姿勢も、途中に見せる笑顔も、いつもどおりだった。

「いちばん辛かったのは、後半の10番からですね。もう体力の限界だったし、ゴルフの調子もいまいちだったし、大変でした」
その時点(27ホール目=9番)で小袋の1up。そして28ホール目に比嘉に獲られてオールスクウェア。そのとき小袋は、心のなかで「最後の3ホールが勝負になるだろうな。その3ホールで決着をつけよう」と思っていたという。
31ホール目(13番)で小袋が1upとし、そのまま35ホール(17番)まできた。そして36ホール目を獲って、2upで第97回日本アマチュアゴルフ選手権のチャンピオンとなった。

18番からハウスに向かってエスカレーターがある。小袋は、顔が壊れそうになるくらいの笑顔で上がってきた。
そして、最後まで帯同キャディを務めた父親のいるところへ行った。
「やったな」という父に「ありがとう。ほんと、よく頑張ってくれました」と頭を下げた。
「このタイトルは、いちばんの親孝行だと思います。50歳のおじさんが、僕でも限界を感じるくらい辛い、苛酷なラウンドを、文句ひとついわないで、やってくれた父親に、感謝です」
小袋秀人の夢は、父親とともに、まだまだ先がある。そんな親子コンビが、夕日に眩しく輝いていた。

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