2022年度(第55回)日本女子オープンゴルフ選手権競技
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新ライバルストーリー 
西郷真央VS山下美夢有

 今シーズンの女子ツアー前半を牽引したのは西郷真央だった。開幕戦のダイキンオーキッドレディスで最終ラウンドに5打差を逆転してプロ初優勝を遂げると、第2戦は2位タイ、そして第4戦のアクサレディス、第5戦ヤマハレディースと2週連続優勝して2勝目、3勝目と勝ち星を一気に伸ばしていった。この後、首痛で戦線を離脱したが、第9戦のパナソニックオープンでトーナメントに復帰すると、この復帰戦も制して4勝目。さらに西郷にとっての10戦目となったブリヂストンレディスで5勝目を挙げた。混戦となった最終ラウンド、16番(パー5)でグリーン左手前からのバンカーショットをチップインさせたイーグルは圧巻だった。出場10試合での5勝は、2004年に不動裕理が記録した11試合を塗り替える史上最速のレコードだった。

 今シーズンは、そのまま西郷が独走していくのかと思われたが、しっかり追走する選手がいた。西郷と同じ2001年生まれの山下美夢有であった。初優勝は山下が先で、昨年のKKT杯バンテリンレディスを制している。そして、2020-21シーズンはルーキーとして、ともに獲得賞金1億円突破も果たしている。今シーズンの山下はワールドレディスサロンパスカップ第1ラウンドで64の快スコアで飛び出すと、そのまま4日間を走り抜ける完全優勝を達成した。さらにサントリーレディスで2勝目を挙げた。そして、この優勝から9試合連続トップ10を決め、賞金ランキングでも西郷を抜いてトップに立った。日本女子オープンでも、両選手は火花を散らしそうだ。

 

新女王・稲見萌寧と
新鋭・岩井千怜、最新鋭・川﨑春花

  2020-21年は稲見萌寧のシーズンだった。20年は1勝にとどまったが、合併シーズンとなった21年は、実に8勝を挙げてトータル9勝。獲得賞金は2億5500万円を超えてシーズン獲得賞金に新記録を作った。それも含めてトップ10回数は25試合、さらに平均ストローク、パーオン率、パーセーブ率、平均バーディー数、ボールストライキング、パーブレーク率などの部門でも1位となり、向かうところ敵なし状態だった。今シーズンは、スウィングの“ミニ改造”に取り組んでいたこともあって、なかなかエンジンが掛からなかったが、ヨネックスレディスでシーズン初優勝を遂げると、8月のニトリレディスで2勝目を挙げた。「なかなか納得のいくスウィングを作り上げられなくて…。イメージはあるけど、まだ80%といったところでしょうか」というのが2勝にとどまっている理由であろうか。といっても2勝を含むトップ10入りは15試合(日本女子プロゴルフ選手権までで)。この回数は、もちろん1位である。獲得賞金では、西郷を抜いて2位(メルセデスランキングは3位)。ここから一気にアクセル全開でメルセデスランキング1位、賞金ランキングも1位と名実ともに女王の座に戻ろうとしている。
稲見 萌寧
岩井 千怜、岩井 千怜  今シーズンの女子ツアーは、ますます若い世代の活躍が増している。その中でも、突然飛び出してきたのが20歳の岩井千怜だ。NEC軽井沢72ゴルフトーナメントでツアー初優勝を挙げると、続くCAT Ladiesでも優勝をさらって、初優勝からの2試合連続優勝をやってのけた。さらに双子の姉、明愛も本オープンの最終予選会をトップで通過してツインズそろっての出場を決めた。

 日本女子プロゴルフ選手権では、その岩井よりもさらに若い川﨑春花(19歳)が、最終ラウンドに8アンダーパーの64と大爆発し、山下美夢有を逆転してツアー初優勝を遂げた。8番でショット・イン・イーグルを奪ったのが起爆剤となり、後半では4連続バーディのあと17、18番ホールも連続バーディで締めくくった。予選会突破からの出場では初優勝者であり、19歳133日は大会史上最年少優勝でもあった。日本女子オープンでは、アマチュア時代の2021年大会で11位タイ(セカンドアマ)の記録を残している。プロとして初出場となる今大会では、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。

あの熱闘をもう一度。原英莉花VS小祝さくら

  2020年の日本女子オープンでの原英莉花と小祝さくらの4日間の戦いは、長く語り継がれるであろう熱闘だった。それは、二人の激しい優勝争いでもあった。第1ラウンドに66で飛び出し、第2ラウンドも69とスコアを伸ばして大会前半をリードしたのが小祝。3打差で迎えた第3ラウンド。今度は原が66をマークして、73と足踏みした小祝に逆に4打差をつけてトップに立った。優勝争いは、この二人に絞られ、最終ラウンドのバックナインを迎える。11番ホール、小祝が第2打をピンそば50センチにつけた。それを見た原が80センチほどにつけ返す。続く12番(パー5)では原が、ほぼ2オンさせる。小祝はカラーからの7メートルのバーディパットを決めて、ファーストパットを寄せきれなかった原にプレッシャーをかける。その中で原は2メートルほどのバーディパットを入れ返してみせた。
  このあたりのプレーを振り返って、原はこんなことを言っていた。
  「緊張はありましたけど、なんか“戦っているなぁ”という感じで、その戦いが楽しかったです」
 そして、優勝への決め手になったシーンが訪れる。13番(パー3)である。5番アイアンでピンを狙ったショットがグリーン左にこぼれてラフに寄りかかるように止まった。ここからのアプローチショットをチップインさせての3連続バーディであった。
  結局両者ともに68で、4打差のまま原の初優勝が決まったが、目に焼き付いているあの熱闘をもう一度見てみたい。そう願っているゴルフファンは多いのではなかろうか。
原 英莉花、小祝 さくら

黄金世代の実力者 高橋彩華&植竹希望

高橋 彩華  黄金世代にもなかなか勝利を手にできていない選手がいた。実力はありながら芽を出せないでいたのは高橋彩華と植竹希望であった。高橋が注目されるようになったのは高校生の頃、2016年のことだ。日本女子アマチュアゴルフ選手権に出場した高橋は、最終ラウンドに同学年だった畑岡奈紗を3打差に抑えて優勝をさらっていった。翌17年にはプロテストに臨むも不合格となった。それでも当時はQTからツアーに出場していくチャンスが与えられていた。高橋は、そちらのルートからツアートーナメント出場の機会をつかみ、プロとしての戦いをスタートさせた。そして18年に2度目のテストで合格、QTも28位で19年シーズンを迎えた。この年、賞金ランキング19位でシード権を獲得すると20-21シーズンは優勝こそなかったもののトップ10入りは21試合を数え初優勝に最も近い選手の一人といわれるようになった。その評価は適切で今シーズンのフジサンケイレディスで待望の初優勝を挙げた。第1ラウンドに63で飛び出しての完全優勝であった。

 その前週、KKT杯バンテリンレディスで高橋より一足早くツアー初優勝したのが植竹だった。1998年生まれの黄金世代から2週続けて初優勝者が誕生したわけだが、植竹は、吉田優利、西村優菜、小倉彩愛との4選手によるプレーオフを制しての初戴冠だった。コンパクトなトップからの最新スウィングを身につけている。“シャローイング”とか、“地面反力”といった動きを身につけたいなら最高のお手本になるだろう。応援も兼ねてプレーを追いかけることも一考してみてほしい。

植竹 希望

プラチナ世代の強力コンビ 西村優菜&吉田優利

  2000年生まれでプラチナ世代と呼ばれる選手では西村優菜、吉田優利、古江彩佳、安田祐香が4強とされていた。このうち古江はUSLPGAツアーへの道を選び、世界に羽ばたいていった。安田は腰痛に悩まされ、本来の実力を発揮できないでいる。ということで、現在の日本女子ツアーでは、西村と吉田が同世代を支えている状態だ。西村は、今シーズンもニチレイレディス、ニッポンハムレディスと2勝を挙げ、メルセデスランキング、賞金ランキング4位とどちらの部門でもトップを狙える位置にいる。西村の強みは、総合力の高さだ。ショット力だけでなく、コースマネジメント能力に長けていて、無駄なボギーは叩かない。自分のゴルフスタイルを確立している。シーズン初勝利だったニチレイレディスでは、最も西村らしいゴルフを展開した。3日間通算17アンダーパーでボギーはゼロ。65をマークした第1ラウンドには、18ホールを22パットでクリアしている。その内訳は、7バーディ(すべて1パット)、11パーで、このうち7ホールが1パット。パーオンして2パットのパーは4ホールであった。グリーンをはずしても寄せやすいエリアにボールを置いておくという攻略法が際立っていた。難コースに仕立て上げられた日本女子オープンの舞台でも、大きな武器になるに違いない。

 吉田は西村よりももっと攻撃的なゴルフを展開する。よりピンを攻めていくスタイルで、バーディ奪取率が高いが、裏目に出てボギーにすることも少なくない。今シーズン、再三にわたっての優勝争いを演じているが、優勝に手が届かない理由は、そこにありそうだ。日本女子オープンの舞台では、どちらのゴルフスタイルがコースに受け入れられるのであろうか。ひとつの見どころではある。

西村 優菜、西村 優菜

悲願のナショナルオープン制覇を渇望するそれぞれのワケ。
上田桃子、菊地絵理香、堀琴音

 「また(優勝に)届きませんでしたね。悔しい」。上田桃子の口からもれた、この言葉を何度聞いたことだろう。2020年大会では、最終ラウンドの原英莉花と小祝さくらの一騎打ちに取り残されての3位タイ。昨年は独走した勝みなみに水を開けられての2位タイ。「ナショナルオープンの優勝は名誉でもあるので、本当に勝ちたい。いつも、そういう思いで大会に臨んでいるんですけど、優勝が遠いんですよね。振り返ってみると、出遅れて、追いかけて、結局届かないというパターンにはまっています。今年は、良いスタートを切って、上位でプレーしながらチャンスを作りだしていく流れにしたいですね」

 菊地は2013年大会から惜しいチャンスを逃し続けている。13年大会は宮里美香と最終ラウンドに終盤で並んだが、1打差の2位タイ。翌14年は第2ラウンドに首位に立つも、第3ラウンドに6位タイに後退、そのままの順位で大会を終えた。さらに15年大会は第3ラウンドのリードを守れずにチョン・インジ、李美香とのプレーオフに持ち込まれ、敗退した。惜敗は、まだ続いた。18年大会は第3ラウンドに首位タイになるも、最終ラウンドにスコアを伸ばせず、ユソヨン、畑岡奈紗に続いての3位で終えた。逃し続けている優勝チャンス。今大会こそ…。その思いは、だれよりも強い。

 今シーズン、第3戦のTポイント×ENEOSゴルフトーナメントでツアー2勝目を挙げた堀琴音には、2016年大会の苦い思い出がある。終盤までトップに立っていたが、距離の長い17番(パー4)でのレイアップ作戦が裏目に出てのボギーが致命傷となった。アマチュア出場だった畑岡奈紗に最終18番ホールで会心のバーディを決められての苦杯という結果が待っていた。あの大会に忘れてきたものを、今大会で取り戻したい。復調した堀の切なる願いである。
上田桃子、菊地絵理香、堀琴音

まだまだいる実力者、注目選手。
渡邉彩香、青木瀬令奈、
木村彩子、三ヶ島かな

 今シーズン第11戦の「ほけんの窓口レディース」でツアー5勝目を挙げたのが渡邉彩香。最終ラウンドを首位で迎え、高橋彩華に追いつかれたものの、プレーオフ2ホール目で15メートルもあろうかという距離のパットを沈めて勝ち切った。左から大きく右に切れるパワーフェードボールは健在で、豪快なゴルフでギャラリーを魅了する。

 第18戦の資生堂レディスでツアー3勝目を挙げたのが青木瀬令奈だ。渡邉とは対照的に飛距離のハンディを技術でカバーするタイプのゴルフが持ち味。実は、ショットをコツコツと繋げていく一方で届く距離のクラブを手にできたら「積極的にピンを攻めていく」という攻撃性をも秘めている。だから、「3番ウッドからはピンを狙っていくクラブ」と、平然と言ってのける。153センチ。小柄なスナイパーである。

渡邉彩香、青木瀬令奈
木村彩子、三ヶ島かな  資生堂レディスの前週に行われたアース・モンダミンカップではプロ8年目、26歳の木村彩子がうれしいツアー初勝利を挙げた。最初のプロテストは、ファイナルまで進みながら不合格だった。そこから都内の中古ゴルフショップでアルバイトしながら練習を続け、2回目の受験で合格したという苦労人である。初優勝となったアース・モンダミンカップでは、6打差を追った最終ラウンド、バックナインに入った11番ホールでグリーン手前エッジからチップインのバーディを決めた。これが、逆転の決め手にもなった。優勝賞金5400万円というビッグプライズで、永年の苦労が報われた1打であった。

 昨シーズンの最終戦JLPGAツアー選手権では、三ヶ島かなが、プロ初優勝を果たした。高校卒業後の15年にプロテストを受験も、2打足りず不合格に。しかし、その年のファイナルQTで5位に入り、単年登録者として16年シーズンからレギュラーツアーに参戦する。17年に賞金ランク41位となり、初のシード権を獲得した。また18年プロテスト合格も果たした。実力でつかんだプロの道であり、初勝利でもあった。日本女子オープンゴルフ選手権では公式戦2勝目を狙う。

上記写真:Getty Images

ローアマチュア争いも激戦必至

 8月の女子アマチュアゴルフ界に衝撃が走った。米国ワシントン州のチェンバーズベイGCで行われていた全米女子アマチュアゴルフ選手権で日本から出場していた馬場咲希が優勝したというニュースが届いたのだ。36ホールのストロークプレーによる予選を34位で通過し、マッチプレーによる決勝トーナメントに進んだ馬場は、1回戦こそ1アップと苦戦したが、2回戦以降は調子を上げて順調に勝ち上がり、準々決勝では4&3、準決勝は7&6と大差をつけて決勝に進んだ。そして36ホールマッチの決勝ではカナダのトップアマチュアであるモネ・チュンを11&9と一方的に下しての優勝であった。実に服部道子以来37年ぶりの日本選手としての優勝で馬場は一躍“時の人”となった。日本女子オープンには全米女子アマチャンピオンとしての参戦だ。175センチの長身で長い腕、脚を生かし、コンパクトなトップから大きなスウィングアークで270ヤードを超えるビッグドライブを打ち出す。この大型プレーヤーには、ローアマチュアというより、畑岡奈紗以来のアマチュア優勝を期待する声があがっている。

 国際競技ということでは、5月にも朗報があった。シンガポールで行われたクイーンシリキットカップアジア太平洋女子招待ゴルフチーム選手権で日本チームが2002年大会以来20年ぶり7度目の優勝を果たしたというもの。日本チームは上田澪空、橋本美月、手塚彩馨で構成され、4日間チーム上位2名のスコアが採用される形式で行われた。そして通算20アンダーパーのチーム成績で2位のニュージーランドに7打差をつけての優勝だった。個人でも橋本が通算9アンダーパーで、2002年大会の諸見里しのぶ以来の優勝を果たした。
 一方、国内では日本女子アマチュアゴルフ選手権で20歳の寺岡沙弥香が完全優勝を果たした。こうした選手たちが一堂に会する日本女子オープン。ローアマチュア争いは熾烈を極めることになるだろう。それどころか、優勝争いにさえからんできそうな強豪ぞろいである。

@馬場 咲希、@橋本 美月、@上田 澪空、@寺岡 沙弥香
@:アマチュア
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