2022年度(第87回)日本オープンゴルフ選手権競技
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マスターズを制したプレーと
ジェントルマンシップ溢れる
人間性で魅了する
アダム・スコットが3年ぶり
6度目の日本オープン出場

 2021―22年シーズンはアダム・スコットにとって悪い戦いではなかった。なにしろ、30人しか出場できないプレーオフシリーズ最終戦のツアー選手権にまで進んだのだから、納得のいくシーズンだったといっていいだろう。
 10度目の出場となったプレジデンツカップでも米国チームに敗れたとはいえ、42歳の最年長プレーヤーとして、若い選手の多いインターナショナルチームの面倒をみて、細かい気配りを欠かさなかったという。自身は5マッチを戦って2勝3敗という結果だったが、この成績よりも評価が高かったのが、チームの中での存在感で日本から唯一出場した松山英樹も「アダムは、世界ランク1位とか、マスターズ制覇、とかの実績も凄いけど、なによりも、あの人を引きつけずにはおかない素晴らしい人間性には、尊敬しかない」と語る。
 そんなことから、少し気の早い話ではあるが、「次回のプレジデンツカップのインターナショナルチーム・キャプテンはアダムで決まりだ」という声さえ挙がっている。あのタイガー・ウッズのようにプレーイングキャプテンという姿が見られるかもしれない。
 そのアダム・スコットが、日本オープンゴルフ選手権に出場する。8月1日時点での世界ランキング100位以内というカテゴリーで出場権を有しておりエントリーを済ませている。もしかすると、次のプレジデンツカップで活躍できそうな日本の伸び盛り若手選手を自分の目で探すーなどといった思惑もあってのことなのかもしれない。彼のプレーと人間性に触れることで伸び盛りの日本選手に、さらなる成長を促していくのか。3年ぶり6度目の出場になるアダムの動向が気になる。
 

20代が強い!
大きな時代のうねりが押し寄せた
日本ツアー

 日本男子ツアーにも世代交代の荒波が押し寄せている。20代の選手の活躍が目覚ましいのだ。その筆頭は、2018、2020と日本オープンを2度制している稲森佑貴。“日本オープン男”とも言われる稲森が、公式戦以外でも長い歴史と伝統を誇る中日クラウンズで3勝目を飾ると6月のJAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIPでシーズン2勝目を飾った。今平周吾もまた、正確なショットを武器に20代のうちに2年連続賞金ランキングトップと頂点に上り詰めた。今年も20代最後の試合となったアジアパシフィック・ダイヤモンドカップで若手選手たちとの接戦を制して今季初勝利を挙げた。その勢いに乗って、続くゴルフパートナーPRO-AMで2試合連続優勝を果たす。稲森と今平の2人が、20代前半の選手たちの壁となって立ちはだかる様は、日本ゴルフ界の未来予想図として想像に難しくない。
比嘉 一貴、池村 寛世  その2人を追う筆頭は、比嘉一貴だろう。アマチュア時代から注目を集めてきた比嘉だが、プロ転向後はアジアンツアーに活躍の場を求めるなど厳しい道を歩いてきた。
 それが花開いたのは2019年。この年にツアー初優勝を飾ると毎年1勝ずつ挙げている。迎えた今シーズンは、関西オープンを制すると日本ゴルフツアー選手権で公式戦初優勝を果たした。比嘉と同じようにプロ転向後にアジアンツアーの経験を経て日本ツアーで才能が覚醒したのが、池村寛世。3年連続で平均飛距離が5位以内というストロングポイントを活かした攻撃的なプレーが魅力だ。
 今シーズンは前半戦に苦しんだものの、ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメントでプロ2勝目を飾った。比嘉と池村。180センチの大型選手が増えた日本ツアーの中でも小柄な2人が、苦労の末に日本一の頂きに上り詰めるか。
 

20代の勢いはやまず

 今シーズンの幕開けは、20代前半の2人の若手による優勝争いとなった。開幕戦の東建ホームメイトカップでは香妻陣一朗と桂川有人が、派手に渡り合った。最終ラウンドのバックナインを迎えた時点では、香妻が6打リードと大きなアドバンテージを取っていたのだが、ここから強烈に追い上げたのが桂川だった。10、12、13番とバーディを決めた後、15番からは3連続バーディを奪って、足踏みしていた香妻に追いつき、追い越して逆に2打差をつけてトップに立った。
 立場が一変した香妻。今度は17、18番を連続バーディ奪取で再び並んだ。勝負はプレーオフにもつれ込み、1ホール目で決着した。香妻が8メートルはあろうかという長いフックラインのパットを気迫で沈めたのだ。この2人の熱戦は、日本ツアーの世代交代のうねりを感じさせるものだった。
 プレーオフで敗れた桂川は、4月にプロ初優勝を果たすと、アジアパシフィック・ダイヤモンドカップで最後まで優勝争いを演じた末の2位タイ。その勢いに乗って自身初のメジャー挑戦となる「全英オープンゴルフ選手権」に出場して松山英樹とともに決勝ラウンドに進出。47位タイの成績を残した。桂川は、過酷なメジャーを経験して得た自信を胸にシーズン後半戦も好調を維持。幾度も優勝争いに絡んでいる。
香妻 陣一朗、桂川 有人
岩㟢 亜久竜、久常 涼  まだプロ初勝利は掴んでいないものの、注目は2020年プロ転向の岩㟢亜久竜と久常涼の2人だ。岩㟢は、デビュー2戦目のABEMAツアー競技でプレーオフの末に2位入賞。同年のファイナルQTで7位タイに入り、今シーズンのツアー出場資格を獲得。日本ゴルフツアー選手権では豪快なゴルフで3位となり、注目を集めた。久常涼もまた、飛距離を武器に世界を目指す有望株だ。同年のABEMAツアーで3勝してレギュラーツアー出場権を掴み、出場7試合の全てで予選を通過し、今シーズンのシード権を手に入れた。この時、19歳。ジュニア時代から注目されていた久常は、岡山県作陽高校1年生で全国高等学校ゴルフ選手権を制し、2019年にナショナルチームメンバーとして活動している。高校3年生のときにQTに挑戦。1次で跳ね返されたものの、プロ転向に踏み切っていた。平均飛距離300ヤードを超える久常。9月に20歳になったばかりだ。岩㟢、久常の日本オープン初出場の若駒のプレーは刮目だ。
 

彼らが出来るなら自分も…
20代の相乗効果

 8月の日本プロゴルフ選手権では、堀川未来夢がツアー3勝目を挙げた。今シーズンの堀川はパッティングのイップスのような症状に苦しんできたが、その苦境も乗り越えて本来の「コースマネジメントとショット力でスコアを作るタイプ」というスタイルが戻った。日本オープンゴルフ選手権は、堀川スタイルのゴルフこそが求められる厳しいコースセッティングの中での戦いとなる。期待できる。

 8月最終週に行われたKBCオーガスタではルーキーの河本力が、最終ラウンド最終ホールでバーディパットをねじ込み、ツアー初優勝を遂げた。プロ転向してから初めて最終ラウンド最終組での優勝争いだったが、1打差の2位からの逆転優勝で重圧を跳ねのけてみせた。その後、バンテリン東海クラシックでも4打差を逆転し2勝目をあげた。

 KBCオーガスタ翌週に行われたフジサンケイクラシックを制したのは大西魁斗。千葉県生まれの大西は9歳で渡米、13歳からフロリダ州にあるIMGアカデミーに入り、そこを経由して南カリフォルニア大学に進み、ゴルフ部でオールアメリカンに選ばれるほどの活躍を示した。帰国後に日本のQTに挑戦し、プロ転向してABEMAツアーでキャリアをスタートさせた。1年目で同ツアーの獲得賞金ランキング15位に入り、2022年の日本ツアー前半の出場権を得た。国内開幕戦こそ予選落ちに終わったが、そこから自身2試合目となるISPS HANDA 欧州・日本トーナメントで4位をはじめ、7位になった日本プロまででトップ10入りが5試合。そして迎えたのがフジサンケイクラシックであった。同じ歳の桂川有人に優勝を先起こされたり、前週には(日本でいえば)1学年下の河本が先んじて優勝を果たしている。「彼らができるなら、自分だってできる」と大いに刺激され、負けず嫌いな性格に火が灯った。フジサンケイクラシックでは、パク・サンヒョンをプレーオフ1ホール目でくだしてのプロ初優勝だった。

 あとの2試合はミズノオープンを制した30歳のスコット・ビンセントとセガサミーカップでツアー通算4勝目を飾った41歳の岩田寛。20代の勢いが感じられる結果だ。メルセデス・ベンツトータルポイントランキングのトップにいるのも、26歳の星野陸也である。

堀川 未来夢、河本 力、大西 魁斗、星野 陸也
 
岩田 寛、池田 勇太

秋の陣でようやく30代が見せ場を作った。
ここからだ。

 台頭する20代に一矢を報いたのがセガサミーカップの岩田寛だった。それから3週間がすぎてANAオープンが行われた。9月も中旬になり、秋の気配を感じ始める北海道での戦いだった。ここにきてようやく30代選手が、30代選手だけの優勝争いを演じた。第3ラウンドまで首の痛みを抑えて独走していたのが池田勇太。最終ラウンドには、その池田を大槻智春と石川遼が猛追した。先に通算19アンダーパーでホールアウトしたのが石川。並んだのが大槻。池田は最終ホールをボギーにして1打及ばずにプレーオフに残れなかった。
 18番を使ってのプレーオフ。その1ホール目、先に第2打を打った石川がピン手前3メートルほどのバーディチャンスにつけた。続いて打った大槻の2打目がミラクルショットとなった。ピン奥に着弾したボールは傾斜とバックスピンで戻り、カップに消えた。石川にバーディパットを打たせないイーグルで勝負を決着させてしまった。
 20代を寄せつけなかった30代トリオが強く存在をアピールした試合だった。秋波に引き寄せられたのか、秋波に目覚めたのか―まるで「ここからは、我々がトーナメントを支配していく」という宣言代わりの三つ巴戦だった。日本オープンでも20代VS30代の構図になることを期待しよう。幸いなことに歴代チャンピオンのひとりである小平智が米国での日程を終えて帰国し、日本ツアーの戦いを始めている。かなり調子はよさそうだ。2015年大会以来の2勝目を狙う。30代の強力戦力になることは間違いなさそうだ。
大槻 智春、石川 遼、小平 智
 

ナショナルチームでの学びを生かして頼もしく成長し続ける選手たち

 松山英樹に続いて男子ツアーでアマチュア優勝を果たしたのが金谷拓実。プロ転向しても早々に勝ち名乗りを挙げている。金谷に続いたのがナショナルチームの後輩・中島啓太だった。昨年のパナソニックオープンで超攻撃的なゴルフを展開し、プロを抑えてしまった。そして、今年の同オープンでは、蝉川泰果が、2年連続のアマチュア優勝をやってのけた。日本体育大学の中島と東北福祉大学の蝉川。学校は違うが同学年である。両選手にはプレースタイルにも共通点がある。攻めのゴルフを得意にするところだ。昨年大会の最終ラウンド、中島は他のプロ選手がフェアウェイウッドやユーティリティでティーショットする狭いホールでもドライバーで打ち続けて驚かせた。 金谷 拓実、中島 啓太
 
@蝉川 泰果、@岡田 晃平  蝉川も飛ばし屋ではあるが、滅多にレイアップ策はとらない。ナショナルチームのガレス・ジョーンズヘッドコーチやアシスタントコーチの教えに沿ったゴルフであるからだ。飛距離は武器になる。それを最大限に活かすために、セーフティでありながらも攻めていくコースマネジメントを身につける。それがナショナルチームでの教えだった。小さくまとまってはいけない。松山のようなスケールの大きなゴルフができるようになれ−ということなのだが、両選手ともに、その教えを実践している。
 中島が一足早くプロ転向を宣言して、今年の日本オープンはプロとして特別承認での出場になる。蝉川は10月第1週の世界アマチュアゴルフランキングで1位となった。こちらも松山、中島に続く3人目の栄誉である。
 ナショナルチームの系譜を継ぐ金谷、中島、蝉川、そして今年の日本アマチャンピオンの岡田晃平(東北福祉大学3年)が挑むナショナルオープン。彼らの優勝争いもまた、期待したいところだ。
 
@:アマチュア
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