Championship Reports競技報告
Championship Reports競技報告
写真:Y.Watanabe / Y.Kawatani
最終組の1組前でラウンド、西日が強くなり始めた頃、最終18番ホールを終了した中澤瑠来。その表情には疲労感よりも満足げな笑みが浮かんでいた。それもそのはず、この日は5バーディ・1ボギーの68をマーク。4アンダーパーで第1ラウンドを自身初の首位タイで終えたのだ。
「パー5でしっかりとバーディを奪い、ピンチを迎えた時はパッティングでしのげたからだと思います」。確かに4つあるパー5ではすべてバーディを奪っている。その要因を自身は次のように語る。「以前まではグリーンまでの残り距離に関係なく、2打目では3番ウッドを持っていましたが、最近はグリーンに近づけるだけがゴルフではないと思い、刻むようになりました」。2オン狙いに失敗して3打目を難しいところから打つよりも、自分が得意な距離をいいライから打ったほうがピンに寄りやすいと考えたわけだ。もちろん、2オンを狙えるところでは積極的に狙いにいく。要は、メリハリのある攻め方を心がけた。
プロテストには過去4回挑戦しているが、最終テストのクリアにはいたっていない。「自分の場合、第1日のスコアが悪いと気持ちが萎えてしまうんです。スコアを取り戻そうという気持ちも強くて……」この日は幸先よく1番ホールでバーディを奪えたことで、あせることなくラウンドできた。鬼門だった第1日をクリアしたとなれば、2日目以降への夢も広がる。
「私は全国大会でいい成績を残したことがないので、その課題を克服したいです」と、秘かに闘志を燃やす。そんな中澤がこの日最も驚いたのが、5歳下の妹・紗来が3アンダーパーで回ったと聞かされたときだ。てっきり冗談かと思ったらしいが、事実だと知り、姉としてのうれしさもあったが、負けたくない気持ちも多少ある。
「あまり順位は気にせず、自分がやるべきことをしっかりやって、それが結果につながればいいですね」。妹との争いよりも気になるのは同い年の動向だ。03年生まれには竹田麗央を筆頭に、JLPGAツアーですでに優勝している選手が何人もいる。当然、彼女たちへのライバル心もあれば、自分は何をやっているのかと思う時もある。もちろん、いい意味での刺激もある。彼女たちに追いつくためにも、自分が確実にプロに近づいているという自信を得るためにも、まずは今大会で納得のいくゴルフを残り3日間でも展開したいところだ。
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