Championship Reports競技報告
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不動裕理が初代女王に輝いた。鬼澤信子との優勝争い。見所が随所に散りばめられていた。とはいえ、ハイライトといえば、8番ホールで見せたスーパーチップイン。このホール、珍しくピンチの連続だった。さすがのレジェンドも、「ボギーは確実」と感じたという。ところが、右ラフから残り15ヤードの第4打を、58度のウェッジで直接放り込むバーディを決めた。「豪雨の直後で、ベタッとしたところから、すごく上手に打てた」という。このインパクトは絶大だった。さらに15番で3メートル、16番では4メートルと連続バーディを決めて勝利を確実なものに。この2日間のプレーを見ていると、パッティングの不調で悩んでいたことが嘘のようだ。「ショットは得意だから、これまでひどい状態ということが少ない。私のゴルフはパッティングしだいですね」と笑みを浮かべた。
2位とは4打差。数字を見ただけでは圧勝といってよかったが、「疲労というか、疲れて後半はまったく余裕がなくなりました」。18番、優勝が決まると安堵のため息がもれた。「チャンスだと感じた今年、確実にタイトルを獲得することができて、すごくうれしいです」
狙って勝った。勝因を、「今季もJLPGAツアーに出場して、難しいセッティングを経験しています。今回も厳しい状況でしたから、一番はそこかなぁ」と振り返っている。
さらには、ベストショットを「第1ラウンドの18番のバンカーショット」と即答。「距離は30ヤード。とにかく、グリーンでボールが止まらない。一か八かというより、こん身のショットだったと思います」と解説した。
念願のタイトルを獲得。まさに太陽生命 元気・長生きカップにふさわしい女王である。健康の秘訣について、「頑丈な体は両親からいただいた。私がずっと気を配っているのは、怪我をする前に予防することです。とにかく、無理は禁物。内臓の調子もいい。そうでなければ、プロゴルファーという職業はできません」と話した。
さらに、朝食が最も大切とも。「私は、出してくださったものをすべて美味しくいただきます。本当は腹八分目がいいでしょう。だけど、私は残してしまう、という勇気がありません」とひと息つき、「理想の食べ方は樋口(久子)さん。いつもコースで召し上がる姿に感心しています」と語っている。
すでに、2年後の全米女子シニアオープン挑戦を明言。「そこまで元気でプレーできるか、心配している。最近、プレーすると筋肉の張りが残ってしまう。今はすごく健康で元気でも、皆さんより衰えるのが早いかもしれない……と思う時があります」と、ほんの一瞬だけ不安な表情が浮かべた。つまり、不動裕理には慢心がない。だから強い。
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