Championship Reports競技報告
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写真:Y.Kawatani
ムービングデーを通算イーブンパーの15位タイからスタートした長澤愛羅が3つスコアを伸ばして首位グループの中澤瑠来、山本唯依、手塚彩馨に1打差の4位タイに浮上した。
ジリジリと肌を焼く強い日差しの中、長澤は1番(パー5)でサードショットを2メートルにつけてバーディ発進。続く2番では8メートルをねじ込むと、6番(パー3)でもバーティパットを決める。9番をボギーとしたが前半で2つスコアを伸ばして、じわりと順位を上げた。後半は、13番(パー3)でボギーが先行したもののバウンスバックを決めると、最終18番では「絶対にバーディを獲ろう」と気合を込めた120ヤードのセカンドショットをピッチングウェッジでピンを刺し、1.5メートルを決めて狙い通りのバーディフィニッシュ。長澤はこの日5バーディ・2ボギーの69をマークして、通算3アンダーパー。混戦模様の今大会の中、1打差4位タイと逆転優勝を狙える絶好の位置まで順位を上げてきた。
本大会までゴルフの調子も決して満足いくものではなかったようだが、「ショットもだんだん感覚が良くなってきています。良い感じで上向きです」と手応えを感じながら明日の最終ラウンドに臨む。長澤は、2019年日本ジュニアゴルフ選手権女子12~14歳の部、2024年同選手権女子15~17歳の部を制している。明日逆転優勝を果たせば、宮里美香に続く2人目の日本ジュニア両部門と本選手権優勝の快挙達成を目前にして「優勝して日本女子オープンに出場したい」と、力強く語る。
今年の全米女子オープン日本予選を勝ち抜いて本選に出場して、「本当に点を狙って打っていかなければならないホールばかりで。少しでもズレてしまうと傾斜で50ヤード近く戻ってきてしまったり。ショートゲームが課題の自分では、ボギーをたくさん叩いてしまいました」と、世界屈指の難易度にセッティングされたコースに翻弄された言う長澤。しかし、帰国直後に臨んだ試合では「1メートル四方にショットを打たなければいけない技術を要求されるコースでプレーしてきたことで、少し簡単に見えたような気がします」と、得たものも大きかったよう。また、憧れの選手でもあるネリー・コルダを間近に見る機会もあったそうで、「アプローチを簡単に打っていました。コルダ選手の他にも世界レベルの選手は、周りをよく見ている方がほとんどだなと感じました。自分はピンを狙ってしまうタイプのプレーヤーですが、視野を広げてプレーすることの大切さを学べました」と、プレースタイルに関しても成長のきっかけを掴んだと話す。そして、「プロになってまたあの舞台に行きたい」と、憧れだった場所が明確な目標にもなった。JGAタイトル3冠目となる日本女子アマチュアゴルフ選手権優勝、日本女子オープン、そしてその先に見据える世界の舞台に向けて、長澤にとって勝負のラウンドが待っている。
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