Championship Reports競技報告

4年前のリベンジを狙う手塚彩馨が首位タイに浮上

写真:Y.Watanabe / Y.Kawatani

この日、手塚彩馨がラウンド中に使用したボールには何かでこすったような擦り傷がくっきりとついていた。4番(パー4)でのティーショットが左サイドのカート道路に跳ねた際についた傷だ。ルール上、その程度の傷ならば、ボールの交換は認められない。しかし、そのホールでのプレーを終了したなら、新しいボールに交換できる。にもかかわらず、手塚は傷跡がついたボールをホールアウトするまで使い続けた。

「使っていたボールは1番だったんですけど、暫定球用に準備していたボールが4番だったので、4オーバーしたなら嫌だと思い、1番を使い続けました」。いわゆる1位を目指したいというゲン担ぎで選んだ1番だっただけに、簡単に換えるわけにはいかない。それでも傷跡が気になり、何度もボールを交換しようと思ったが、“1”へのこだわりを貫き通した。

そこまで手塚が“1”にこだわるには理由がある。2021年の本選手権だけでなく、日本ジュニアや関東女子ゴルフ選手権でも2位に甘んじた経験があるからだ。やはり、大会に出る以上はだれもが1位を目指すし、1位で終えたいと願う。そんな思いがボールに込められた。

特に、第1ラウンドから第3ラウンドまで首位を守り続けながら、1打差で尾関彩美悠に敗れた2021年の本選手権で味わった悔しさは忘れられない。4年の月日が流れたが、ようやくリベンジできるチャンスが回ってきた。「できれば、この大会で優勝してからプロに転向したいですね」と、静かに闘志を燃やす。

1番にこだわり続けた手塚だが、この日は3バーディ・3ボギーのイーブンパーで終えた。前半は狙ったホールでバーディを奪い、9番ホールでは約3メートルのパーパットを捻じ込んでピンチも乗り切ったが、後半のハーフではスコアを2つ落としてしまった。

「前半のラウンドでは2日間ともインコースを34で回っていたので、今日は68かなと思ったんですが……」。スコアを伸ばせなかった分は最終ラウンドに上乗せするつもりだ。

ジュニア時代はJGAナショナルチームにも属していたが、飛距離を求めるあまり、ショットの方向性を失っていた手塚。しかし、スウィング改造を行うことで、徐々に出球が安定するようになり、フェアウェイキープ率、パーオン率が上がってきたという。それだけに、本選手権での狙いは、優勝しかない。

「明日は3アンダーパーを出したいので、3番のボールを使う予定です」。となると、通算7アンダーパーでのフィニッシュとなるが、優勝ラインがその数字を上回りそうなときは、違う番号のボールを取り出すかもしれない。

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