Championship Reports競技報告
Championship Reports競技報告
競技報告:Y.Koseki 写真:Y.Watanabe
今年の舞台、横浜カントリークラブ・西コースでは、2018年の日本オープンゴルフ選手権(優勝:稲森佑貴)を始め、近年はプロアマを問わず多くの競技会が行われている。しかし、これまで「6824ヤード・パー70」のコース設定で実施されたことはなく、果たしてトップはどれくらいのスコアで戻ってくるのか。見当がつきかねた。
そうしたなか、午前スタート組の選手で終始リーダーボードの最上部に座り続けたのが、中部アマチュアゴルフ選手権を今年初制覇した東北福祉大学1年の矢野仁貴だった。矢野は前半唯一のパー5、5番(523ヤード)でイーグルをマークすると、7番(504ヤード・パー4)、8番(387ヤード・パー4)で連続バーディ。ハーフターン後も、後半唯一のパー5、13番(536ヤード)で持ち前の飛距離を活かしてバーディを奪取。15番パー4(511ヤード)こそ、ティーショットをフェアウェイ左の深いラフに入れ、結果ボギーとしたが、最後の17番(330ヤード・パー4)、18番(415ヤード・パー4)で再度連続バーディ。6アンダーパーの64で第1ラウンドの競技を終えた。
「今日はもう何も悪いとこがない感じでした。ティーショットも曲がらなかったし、セカンドもだいたい1ピン以内について、それが入るか入らないかの勝負。(外せば)タップインパーの楽なゴルフをしていました」と屈託のない笑顔を見せる。
前述の中部アマチュア選手権(5月20日~23日)では、矢野は先行する松山茉生(昨年の本選手権のチャンピオン)に16番からの3連続バーディで追いつくと、その勢いのままにプレーオフ1ホール目でもバーディを奪い、松山を下して“中部地区アマチュアゴルファー№1”のタイトルを獲得した。
印象的な逆転劇だが、そのときの好調が続いているのだろうか。
「うーん、そうですね。先週、全国大学ゴルフ対抗戦があって、そこでは良くなかったのですが、今日は調子を戻せたかな、という感じです」と語る。それほど“好調”を実感してわけではないが、それでも自分のゴルフを展開できたら、今日のようなスコアに持っていける自信はあるという。
「去年から実力的に上で戦えるはずだったんですけど、メンタル的に、ちょっと崩しちゃうと、どんどん崩れてしまって。自分に自信のなさ、みたいなのがありました。今年は結構自信持ってプレーもできるようになってきたかな、っていう感じです」と、すらすら迷うことなく口にする。そして、その自信を得た背景については、
「今年、東北福祉大のゴルフ部に入ったら、(ゴルフ部の)みんな上手いので、みんなについていこうという気持ちがありました。メンタル面でも、みんなと練習したり、勝負したり、楽しくできています。福祉大の人は前向きというかやる気に満ち溢れています。悪くてももっと頑張ろう、みたいな感じなので、それを見習わせてもらっています」として、そんな環境の中で練習や競技を続ける中で、よりアグレッシブな姿勢が身に付いたと明かす。
そして、今大会の目標も、「優勝めざしています」ときっぱり口にしたあと、「そのためには、スコア的には毎日4アンダーパーで回れればいいかな。(6アンダーパーの)今日はでき過ぎといえばでき過ぎですね、正直。明日も2つ3つ、伸ばせたらいいかな」
そう語る口ぶりには、確かな自信がうかがえた。
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