Championship Reports競技報告

諦めムードのマイナス思考から一転。11番からのバーディラッシュで岩永梨花が逆転優勝を果たす

競技報告:Y.Koseki 写真:Y.Kawatani

女子12~14歳の部の優勝争いは序盤から思いがけない展開になった。通算5アンダーパーのトップタイで、3位とは3打の差を持ってスタートした岩永梨花(尼崎市立塚口中学2年)と境美玲(江東区立有明西学園中学3年)がともにスコアを崩し、10番ホール終了時点で、岩永が3ボギー、境が4ボギー(ともにノーバーディー)と大きく沈む。代わってスコアを伸ばし、首位に並んだのが、10番ティーからスタートの1組目の竹田妃菜(王寺北義務教育学校3年)と最終組の岩永の2組前でラウンドする本村紅音(宝塚市立宝塚中3年)だった。そのときの胸の内を岩永は「パットも入らず、ショットも寄らず。何もかもが良くなくて。もう諦めていました」と苦笑して話す。

だが、転機は11番パー4でやって来た。

「ドライバーショットが良くて、第2打も、当たりは薄かったんですが、1メートルくらいに寄ってくれて」、結果バーディ。そこからアグレッシブな気持ちが蘇った。

「以前なら諦めムードに入って、マイナス思考になっていたと思います。でも、最近はちょっとプラス思考で頑張って考えられるようになりました」

“マイナス思考になったら、結果もマイナスになってしまう。反対にプラス思考になったら、結果もプラスに”。岩永は2年ほど前から、そんな思考を鍛えるメンタル・コーチングを受けている。「丹波(幸一)さんという先生で、もともとはエイムポイントを教えてもらっていたんですけど、そのレッスンのなかでメンタルのコーチも受けるようになりました」

11番のバーディをきっかけに、前半のゴルフが嘘のようなバーディラッシュが始まる。続く12番もバーディ。さらに14番、15番で再度連続バーディをマーク。この日のスコアを1アンダーパー、通算6アンダーパーとして、一足早く通算5アンダーパーで競技を終えた竹田を抜き去る。岩永の上には2組前でラウンドする、通算7アンダーパーの本村がいるだけになった。

その本村は18番のティーショットを左に曲げ、木に当ててしまう。そして、結果ボギーとなり、通算6アンダーパーに落ちる。岩永はトップタイで18番ホールを迎えたのだが、彼女はその状況を知らなかった。「最終ホールでバーディを獲ればプレーオフ」。その状況判断から、岩永はアグレッシブなゴルフを続けた。

そして、セカンドショットをピン手前、5~6メートルにつけると、そこからきっちりとバーディを奪い、見事すぎる逆転優勝を飾った。

いまの気分を尋ねると、屈託のない笑顔で「うれしいです」と即答で返って来た。

岩永の姉、JGAナショナルチームの岩永杏奈(大阪桐蔭高校2年)も2年前、中学3年時にこのタイトルに輝いている。岩永は、その姉より1年若く勝利した。そのことに言及すると、岩永はちょっとうれしそうにニコリ。でもすぐに「姉と比較されるのは嫌」という顔付きになった。

岩永梨花は岩永梨花。他の何者でもない素晴らしい日本ジュニアチャンピオンなのだ。

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