Championship Reports競技報告
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「あれっ、田代さん、スコアを間違えて提出したんじゃないの?」。亀井隆(唐沢GC)が田代猛(裾野CC)の顔を見つけるなり、冷やかしの言葉を投げ掛けた。「そうだよ、間違えたよ」と返す田代。実はこの2人、ともに70歳の同い年で、この日もホテルから一緒の車でコースに来るほど仲が良いのだ。前日の練習ラウンドも一緒に行ったが、あまりスコアがよくなかった田代を見ていただけに、72のパープレーでホールアウトした亀井に軽口をたたいた。
「昨日まではドライバーショットがひどくて、右にばかり飛んでいたんです。それで、今朝の練習場でアドレスを見直し、ダウンスウィングでの切り返しのタイミングを早めにしたら、曲がりを抑えられるようになりました」と田代。ただ、ドライバーショットだけが好スコアの要因ではない。狭いホールではドライバーを持たずに刻んだり、ホールロケーションが難しいホールでは、あえて広いサイドを狙った。「とにかくダブルボギーだけは打たないように心がけました」。ダブルボギーを叩くとズルズルとスコアを落とすと思い、安全策を心がけたのが成功した。

一方の亀井は、1オーバーパーで迎えた9番(パー4)で第2打をピンの上1メートルにつけたものの、そこから3パットでボギーとする。「下りのパットがもう怖くて。後半のハーフはビビリまくってパッティングしていました」。全ホールを2パットでいくつもりだったが、2つのパー5ではしっかりとバーディを奪い、72ストロークにスコアをまとめた。
「日本シニアオープンでローアマチュアとなり、日本シニアゴルフ選手権、日本ミッドシニアゴルフ選手権でも優勝しているので、ぜひとも本選手権も勝ちたいです」。勝てば、シニアのアマチュアとして“グランドスラム”の達成となるだけに気合も入る。ただ、その前に立ちはだかるのが田代だ。
「彼が全部勝つから、自分はタイトルとは無縁です。明日は少しでも足を引っ張りますよ」と、冗談っぽく語った田代。最終ラウンドはともに最終組でのラウンドとなるが、初の日本タイトル獲得か、シニアのグランドスラム達成か、熱い戦いが繰り広げられそうだ。
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