Championship Reports競技報告
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やはり、3年連続本選手権トップ10入りの実力者は強かった。最終ラウンドを2位に2打差の首位、イーブンパーからスタートした中谷玲(カレドニアンGC)が、3バーディ・4ボギーの73でプレーを終え、通算1オーバーパーで本選手権初優勝を飾った。初出場の2022年大会で3位タイ入賞。翌2023年大会は2位タイ、そして昨年大会は7位タイ、4年目でこれまで届かなかった優勝に手が届いた瞬間だった。
「やっと、女子ミッドのトロフィーに自分の名前を刻んでいただける、本当にうれしいです」
安定した実力があったからこその優勝には違いないが、簡単には勝たせてもらえないのが本選手権だ。バーディ発進で好スタートを切ったものの、2番ホールでボギー、その後も2つのボギーを叩いてしまい前半で2つスコアを落としてしまった。その間に2打差の2位タイからスタートした清水友莉耶が前半35をマークし逆転を許してしまう。
迎えた折り返しの10番ホール、セカンド残り距離115ヤードを9番アイアンで2メートルにつけバーディを奪うと、続く11番ホールでも84ヤードをウェッジで2メートルにつけバーディ。どちらもショットで奪い取った会心のバーディだった。
「今日一緒に回っていた清水選手、前半すごくいいゴルフをしていたし、他の選手もどうなっているかわからない、とにかく自分は“一打でも一打でも”という気持ちで臨んだ10番と11番だったので、良いバーディが2つ続いてくれたなと思います」
3年間悔しい思いをしただけに、今年はより一層勝ちたいという気持ちは強かったという中谷。それでも首位発進を決めた前日に語った通り、その気持ちを抑え、“自分の悔いのないゴルフをする”ことに徹してプレーしたことが優勝につながったのだろう。

今年の関東女子ミッドアマチュアゴルフ選手権を制し、関東チャンピオンとしても今大会に出場している中谷にとって、関東で戦ってきた選手たちは切磋琢磨してきたライバルでもあり仲間でもある。最終組でラウンドしていた中谷を待ち、大勢の仲間たちが祝福の声をかけてきた。これには中谷も涙が抑えられなかった。
「みんな、帰りの飛行機とかいろいろあるのに残ってくれて“おめでとう”と声をかけてくれました。本当に嬉しかったし、関東にも歴代チャンピオンの方が何人もいらっしゃいますし、その中に私の名前を刻んでいただけることもうれしいです」
今大会の優勝で、中谷は兵庫県の宝塚ゴルフ倶楽部で開催される2026年日本女子オープンゴルフ選手権の出場資格を獲得。これまでJLPGAレギュラーツアーの試合に出場したことがないという中谷にとってまた新たなステージに進むことになる。
「すごく楽しみです。女子ミッドアマチュアのチャンピオンとして出場させていただけることは本当にうれしい気持ちでいっぱいです。これまでツアーに出場したこともないですし、それも今回は日本女子オープンというトップ選手が集まる試合、そのフィールドに出させてもらえることは光栄です。その中でもミッドのチャンピオンとして恥じないゴルフはしたいと思っています」
最後に、今後の目標について聞いた。
“プロテストで結果を出す”毎年、この目標を掲げているが、今は次の試合、次のラウンド、次の一打に向けて、毎日を積み重ねていきたいと、中谷は言う。
この積み重ねがプロゴルファー中谷玲の第一歩となるか。今後の中谷の活躍に注目したい。

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