Championship Reports競技報告
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写真:Y.Watanabe
2025年度(第45回)クイーンシリキットカップアジア太平洋女子チームゴルフ選手権が5月13日に宮崎県宮崎市のトム・ワトソンゴルフコースで開幕する。開幕前日となる12日には、今大会に出場する13チームが指定練習を行い最終調整に勤しんだ。クイーンシリキットカップはアジア太平洋ゴルフ連盟が主催するアジア太平洋地域最大の女子チーム選手権で、日本開催は2008年大会以来17年ぶり4度目。日本チームは岩永杏奈(大阪桐蔭高校2年)、新地真美夏(共立女子第二高校3年)、長澤愛羅(ルネサンス高校3年)の3人でチームを編成し、ホスト開催の本大会で2022年大会以来8度目の頂点を目指す。
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本選手権初出場の岩永は昨年の日本女子オープンゴルフ選手権ローアマチュアを獲得。今シーズンは関西女子アマチュアゴルフ選手権を制して自信を深めてトム・ワトソンゴルフコースに乗り込んできた。「調子は良い感じだと思うので、4日間アンダーパーでプレーしてチームに貢献したい」と活躍を期す。会場のトム・ワトソンゴルフコースは毎年8地区指定強化選手対抗戦が開催されており勝手を知るコースでもあるだけに、「コースは狭く感じていて、グリーン奥からのアプローチが難しくなるので、手前から攻めてバーディを狙っていきたい」とコースマネジメンの徹底を誓っている。「練習ラウンドをしている間もギャラリーの方々から応援していただいているので、3人で優勝を目指して頑張りたい」と声援を背にホスト優勝を狙う強い気持ちを見せた。
昨年大会に続いて2年連続で本選手権に臨む新地真美夏は、「調子はあまり良くないです」と表情は曇りがち。新地自身がトム・ワトソンゴルフコースの攻略にはショットの正確性が必要と感じているだけにそれも頷ける。しかし「昨日よりは良い感じになっていますし、ショットもドライバーも徐々に調子が戻ってきています。悪くはないけれど、まだしっくりといかない部分もあるので、4日間のプレーの中で少しずついい感覚を取り戻していければ」と焦りは感じられない。「自分たちのチームに応援が集まっていることを感じてみますし、知っているコースでの開催ですから、昨年以上にみんなで頑張りたいという気持ちが強いです」と、メンバーで唯一人クイーンシリキットを知る選手として、本大会に臨む決意を語った。
日本ジュニアゴルフ選手権で中学時代に女子12~14歳の部、高校進学後に15~17歳の部の両部門を制している長澤愛羅。先だって開催された全米女子オープンゴルフ選手権日本予選でも並み居るプロを押しのけて世界最高峰の舞台への朝鮮を自らの手で勝ち取った。しかし、現状の調子は「そんなに良くないです。特にドライバーショットがあまり良くなくて……」という状況で、「コースは木が多くて狭い印象」とトム・ワトソンゴルフコースの印象も難しさが先に立っているよう。「ティーショットを曲げると林に入ってしまうので、ドライバーを曲げないようにしたいです。日本開催なので、家族とかも応援に来てくれたりしています」と心強い応援を受けて、明日の開幕に向けてショットの復調を図っていた。
日本チームを率いるのは、クレイグ・ビショップコーチ。ホスト開催には「プレー経験のあるコースでの開催は有利に働く部分はあるけれど、むしろホスト国ということでプレッシャーとか緊張が逆に不利に働いてしまうかもしれないと考えています」と、気を引き締める。それでも、「日本チームのメンバーは良い選手だし、プレッシャーに勝つことができれば良い結果を残すことができる」と岩永、新地、長澤の3選手への厚い信頼は揺るがない。サポートスタッフを務める岩本砂織も「自分たちが知っているマネジメントを活かしながら一打一打を大切にしていくことがポイント。チームワークも良いし、いい雰囲気で開幕を迎えられると思います」とホスト優勝を目指すチームに自信を深めている。
ホスト優勝を目指す日本チームの前に立ちはだかるのは、本選手権最多の23勝を飾っている韓国チーム。その中でも昨年大会で個人優勝を果たし、オーストラリアを最終ラウンドで逆転する原動力となったオ・スミンのプレーには注目が集まる。前日までは茨城ゴルフ倶楽部でJLPGAツアーにも出場。4日間完走後、昨夜遅くに宮崎入りのハードスケジュールとなったが、「疲れてはいますが、大丈夫です」と気力も充実している様子。「ショットの調子が良くて全体的には良い感じです」と調子も上々。「今年のチーム戦も優勝したい気持ちが強いです。でも、クイーンシリキットは好きな大会でもあるので、結果を考えず楽しみたい。もちろん、優勝したら嬉しいなと思います」とチームの最多優勝記録更新に向けて気負いは見られない。
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