Championship Reports競技報告
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2025年度(第34回)アイゼンハワートロフィー世界アマチュアゴルフチーム選手権は9日、シンガポールのタメナラカントリークラブで第2ラウンドを行った。途中、険悪な天候のために競技が約1時間30分の中断となるコンディションの中、18位タイからスタートした日本チームが健闘を見せた。中野麟太朗が6バーディ・ボギーフリーの完璧なプレーで66をマークして個人戦3位タイとなる活躍を見せると、前日は不採用スコアで悔しい思いをした田村軍馬が3バーディ・2ボギーの1アンダーパーでホールアウト。長﨑大星は2バーディ・2ボギーのパープレーで不採用スコアに終わったが、日本チームはこの日7つスコアを伸ばして通算6アンダーパーでプレーを終えて9位タイに浮上した。首位は、この日チームスコアを9つ伸ばして通算14アンダーパーとした南アフリカ。オーストラリア、イングランド、フランスに5打差をつけている。さらに1打差の通算8安打パーの5位タイでメキシコとデンマークが続いている。首位と8打差を追う日本チーム。表彰台に一歩でも近づくため、明日のムービングデーでも大きくスコアを伸ばしたいところだ。
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10番ホールからこの日のプレーをスタートした日本チーム。中野麟太朗は、「前半欲しいところでバーディを獲れずにもどかしかった」という展開も、「1番難しいホール」という15番で20メートルのパットを沈めてこの日初バーディを奪うと、それまでの苦しい流れが一転して、ショットがピンを刺し17、18、後半の1番と3連続バーディで一気にスコアを伸ばす。その後は「疲れが出てきた」とピンチを迎えたが4番で8メートル、5番では5メートルのパーパットをねじ込みスコアを守ったまま迎えた8番でバーディ。9番はティーショットをバンカーに打ち込み通常のスタンスも難しいライからの2打目を「今日は、出来る気がしていて。良い感じでクリーンに球を打てれば、良い結果になるとイメージできていて、その通りの結果。自分でもすごいと思ったし、完璧でした」と自画自賛するショットを見せて連続バーディでフィニッシュ。中野は6バーディを奪い、ボギーフリーの安定したプレーでこの日のベストスコアタイとなる66でホールアウト。「明日はしっかりとスコアを伸ばしたい」という有言実行のプレーを見せてくれた。「ショットもパッティングもフィールングは良い感じです」と手応えは十分という中野だが、「疲労によっていつ崩れるかわからない」と気の緩みはない。「上位に入れるかは残り2日間にかかってるので、明日は今日以上のゴルフをしたいです。今日は自分の中で100点満点だと思いますが、それを超えるプレーを目指して明日も頑張りたい」と自らを鼓舞し、「自分のプレーを見て、仲間も“次は自分の番だ”という感じになると思う。日本チームで明日は10アンダーパーを出せるように」とエースとしてチームを牽引することを誓った。
田村軍馬はスタートホールの10番をボギーとするも、昨日は取り返そうと攻めのプレーが裏目に出た反省を活かしてその後は落ち着いたプレーを見せる。15番では「長い距離」だったというパーパットをねじ込む粘りのプレーでピンチを凌いで迎えた16番のバーディ。直後の17番も「難しいバンカーショットでしたがパーセーブできました」と苦労しながらも必死に堪えて前半をパープレー。後半も1番バーディ、2番ボギーのスタートとなったが、「良い流れでプレーができた」と波の少ないプレーを続けて最終9番では貴重なバーディを決めた。この日の田村は、3バーディ・2ボギーの1アンダーパーにスコアをまとめ、前日の悔しさを晴らした。リベンジを果たした田村だが、「パッティングが決まっていれば、もっとスコアが出せたかなというラウンドでした」と不満は残るラウンドだったよう。それでも、すぐに「とりあえずアンダーパーでプレーできたので、驕らずに、あまり求めすぎずに」と、笑顔を見せた。「明日は60台を目指して。チームのスコアを引っ張っていけるように頑張りたいです」と、明日も冷静に、そして謙虚にコースと向き合いつつ、日本チームに貢献する決意を語った。
日本チーム最年少の長﨑大星は11番でボギーと出鼻をくじかれ15番で2つ目のボギーを喫してしまった。「午前中はティーショットが暴れてしまって……振り切れていないことが多々あってショットの曲がりに繋がってしまった」と調子が上がらない中でも17、18番で連続バーディを奪って前半をパープレーで凌ぐと、後半は徐々にショットも復調。バーディチャンスも迎えたが、今度はパッティングを決めきれずスコアカード通りのプレーに「苦しかった」と振り返る我慢の連続で、9番では1.5メートルを決めきれずにパープレーでホールアウト。惜しくも不採用スコアとはなったが、「パッティングをもう少し決めることができれば、3アンダーパー、4アンダーパーも出せると思う」と自信を失ってはいない。「攻めるところでしっかり獲って、守るところをしっかり守る。そのようなプレーをして、明日は自分が一番活躍してチームに貢献できるように頑張りたい」と強い視線は、しっかりと前を見据えていた。
東南アジア特有の天候と芝への順応も進み、徐々に調子を上げてきた日本チーム。頂点を目指し明日のムービングデーのプレーに期待が高まる。
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