Handicap Newsハンディキャップニュース

Vol.6【札幌国際カントリー倶楽部】スロープシステム導入で倶楽部競技参加者が増加

    札幌国際カントリークラブでは、新システムを導入で倶楽部競技の活性化につながっている。

    その内容を高橋広行前キャプテン、西川和夫キャプテン、豊嶋俊二支配人に聞いた。

    ― 最初にスロープシステム導入までの経緯をお聞かせください。

    高橋:当時、私は島松(札幌国際カントリークラブ)のキャプテンであると同時にJGAのハンディキャップ(以下HDCP)委員会副委員長、北海道ゴルフ連盟HDCP委員会委員長も務めていました。スロープシステムを推進していく立場ですから導入しない手はないと。

    ― 西川さんも当時は北海道ゴルフ連盟のHDCP委員会副委員長として高橋さんをサポートする立場だったと聞きました。

    西川:ええ。もちろんそういった立場的なこともありますが、私の個人的な意見を言わせていただくと、昔のHDCPには疑問があったから新しいシステムを推奨したということもありました。

    ― どのような疑問ですか。

    西川:従来の倶楽部HDCPは倶楽部のHDCP委員会が決めるものでした。客観的にスコアだけで決めるわけではありませんから、どこかおかしいのではないかという
    ことを感じていました。

    ― 具体的にはどのような。

    西川:私は若いころにHDCPゼロになりました。しかし、年を取って実力がなくなってもゼロから動かしてくれない。「適正なHDCPに戻してください」とお願いしても聞き入れてもらえませんでした。つまり、実力を正しく反映できていないHDCPだったのです。その点、スロープシステムは公平だと感じています。

    豊嶋:西川キャプテンがおっしゃるように以前は人が人のHDCPを決めていましたから私情が入ってしまう可能性は否定できなかったと思います。「あの人には
    厳しいけど、この人には甘い」という不平不満もあったでしょう。

    高橋:厳しいところは厳しかったですね。シングルになる時には特に。

    豊嶋:いくらネットでアンダーパーを出しても、HDCP委員会で「シングルにふさわしい品格がない」と判断されればダメでした。

    高橋:心技体がそろっていないといけないと言われていましたからね。

    豊嶋:その代わり、一度シングルになるとなかなか落ちませんでした。ですから、西川キャプテンがおっしゃるようにゼロのままずっと変わらないこともあり得たわけです。

    西川:本人は早く戻してほしいと思っていたのにね。HDCPが 変わらなければ 年を取ると本 当にきついんですよ。

    高橋:逆にシングルのボーダーラインの人は調子が悪くなると「何とか9のままでいさせてくれ」ということもありましたね。

    豊嶋:シングルは名誉でしたから、HDCPを落としたくない。人によっては落としたら恥だという気持ちもあったと思います。スロープシステムでは毎月更新されるのが当たり前ですから、そういう意味ではフェアですよ。

    高橋:HDCPが増えても「今は調子が悪いから」と割り切れる。また頑張ればすぐに取り戻せるわけですから。

    ― スロープシステム導入時に反対意見などはありませんでしたか。

    西川:ありましたよ。HDCP委員会からは「それならHDCP委員会はいらないではないか」という意見もありました。ですが、高橋さんと私でなかば強引に進めましたね。

    高橋:慎重な意見のメンバーには「とにかくやってみれば良さが分かるから」と説得しました。いずれにしろ賛否両論ありましたからみなさんの意見を統一してからスタートというのでは時間がかかりすぎる。とにかくまずはやってみようという形で進めていきました。

    西川:事務方は「やりたくない」というのが本音だったのではないですか?

    豊嶋:確かに当初はどういうものなのかよく分かっていませんでしたし、支配人会でも「事務方が大変そうだ」ということで慎重なムードがありました。ただ島松は当時の高橋キャプテンを中心に進めていましたので、私たち事務方も「とりあえずやってみよう、問題が出てきたらそこで対処しよう」という気持ちで取り組みました。今では定着していますし、結果として公式競技の参加者が増えましたしね。

    ― どのくらい増えたのですか。

    豊嶋:島松では半年余りのシーズンで23の公式競技があります。従来は延べ2400人程度でしたが、今では2600~2700人。スロープシステム導入後、年々増えてきています。参加者が増えた理由として考えられるのはHDCPの多い方にも入賞のチャンスが広がったこと。特に女性には好評です。

    西川:従来のHDCPは上限が36でしたが、現在のHDCPインデックスなら女性は40.4まで。コースHDCPを算出すると45や46になることもあります。ですから、以前はなかなか入賞できなかった方も上位に入る可能性が高くなりましたね。

    高橋:夫婦で一緒に公式競技ができるようになったと喜んでいる方もいらっしゃいます。以前、島松では月例などはHDCP別にA、B、Cと3つのクラスに分けて開催していましたから、別々のクラスならば一緒にプレーはできませんでした。現在はクラス別ではなくスタートコース別(札幌国際カントリークラブ島松コースには各9ホールのA、B、Cコースがあり、A→B、B→C、C→Aの3通りの組み合わせで18ホールをプレー)で順位を決める公式競技が多くなりましたからね。

    ― スロープシステムの長所を生かしてくださっている例ですね。
    では逆に課題や改善してほしい点などはあるでしょうか。

    豊嶋:私たち事務方からすれば公式競技の準備に手間がかかることがひとつの課題です。参加者それぞれのHDCPインデックスからコースHDCPを算出してスタート表などを作成することになりますから、どうしてもその作業に時間が割かれてしまいます。

    西川:あるコースではメンバーさんがご自分で組み合わせをつくると自動的にその日のコースHDCPが入るソフトをつくったそうです。私もつくってみようと挑戦してみましたが、無理でした。

    豊嶋:JGAでそのようなシステムをつくっていただくことはできないのでしょうか。

    ― 実は、JGAには「Competitiontoolforclub」というHDCP競技会用のシステムがあり、NEW J-sysに登録していただいている倶楽部さんには無料で提供させていただいています。告知が十分ではなかったようです。
    申し訳ありません。

    豊嶋:そうでしたか。北海道ではあまり知られていないかもしれません。うまく活用できれば、人手が厳しいコースでもスロープシステムをより運用しやすくなると思います。

    高橋:北海道の地方部では人手の足りないコースがたくさんあります。中には支配人がフロント業務からレストランのウエイターまでしているところもあるほどです。そのようなコースでは倶楽部競技でスロープシステムを採用したくても人手の問題でできないということもあり得ます。

    豊嶋:私たちも最初は半信半疑でしたが、実際に運用してみてスロープシステムの公平さが実感できました。まだ活用できていないコースでもやってみれば良さは分かってくれると思います。そのためにも事務方の負担を軽減することは重要です。そこがさらなる普及へのカギになるのではないでしょうか。

    西川:別の話ですが、北海道ではオフシーズンにカードを出さなくなる傾向がありますね。冬の間でも本州などでプレーする方は結構いますが、そのカードを出す方は少ない。ですから、正しいHDCPインデックスにならないわけです。

    豊嶋:シーズン中ならばうちのメンバーさんが他のコースでプレーしたカードでも島松に来た時に出してくれますが、オフの間はいらっしゃいませんので…。郵送してくれる方もいませんし。

    西川:プレーヤー自身が入力すればいいのですが、面倒だと思っている方が多いですね。一度覚えてしまえばそう手間ではないことが分かると思いますよ。自分で入力すればパーオン率などいろんなデータが分かりますし、天候や誰とプレーしたのかなども書き込めます。自分のゴルフの記録になるから絶対に覚えたほうがいい。事務方の負担軽減にもつながりますし、もっと啓蒙したほうがいいのではないでしょうか。

    おすすめ記事

    新着記事

    • ハンディキャップインデックス査定システム J-sysとは
    • JGA個人会員募集
    • 世界アマチュアゴルフランキング
    • JGA主催オープン競技ロゴダウンロード
    • もっと知りたい、ゴルフのこと GOLFPEDIA
    • CLEAN SPORT Athlete Site クリーンスポーツ・アスリートサイト JADA
    • アスリートの盗撮・写真・動画の悪用、悪質なSNS投稿は卑劣な行動です。
    • JOCオリンピック選手強化寄付プログラム
    • 日本ゴルフサミット会議
    • その道のりに、賞賛を STOP誹謗中傷