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【攻めのプレーが逆転劇に繋がった関東チーム】

第1ラウンドで首位タイに並びながら、第2ラウンドでスコアを落として順位を落とした関東チーム。しかし、メンバー3人は逆転優勝を信じて疑わず、全員が攻めのプレーを見せた。森山友貴は、昨日のラウンドでティーショットを林に8回打ち込み、短い距離のパットも外して80を叩き、不採用スコアに終わった。ホールアウト後には、パッティング練習に50分の時間を割いて、最終ラウンドに臨んだという。「今日は、スタートから攻めていこう」と関東チームの先陣を切ってティーオフすると、2、3番で3メートルのバーティチャンスを迎える。しかし、これを決めきれず「こんなんじゃいけない」と気合を入れ直した4番で初バーディを奪う。6メートルのパットをねじ込んだ森山は、続く5番でも6メートル、7番(パー5)もしっかりとスコアを伸ばして、前半で3つスコアを伸ばして、中国チームにプレッシャーをかける。後半も10番(パー5)で計算通りのバーディを奪ってみせ、「ショットもパットも完璧だった」と自画自賛のプレーを続けていく。その森山が唯一後悔したのは14番。ティーショットを右の林に打ち込むミスからボギーを叩いてしまったこのホールから、それまでの良い流れが途切れ、「そこからは耐えるゴルフ」を強いられてしまう。それでも、最後までパーをセーブし続けた森山は、この日のベストスコア69を叩き出し、関東チームの逆転優勝の呼び水となった。「チームワークも良かったですし、昨日、自分のスコアが悪かったときに、他の2人が頑張ってくれて、今日の逆転につながりました」と、3日間をともに戦ったチームメイトを賞賛する森山。「中学生最後の試合で関東代表になって優勝できたことが、本当に嬉しい」と目を細めて、喜びに浸っていた。

「攻める場面と守る場面をしっかり判断して、メリハリがあるゴルフがしたかった」と最終ラウンドのスタートで決めていた栗原悠宇は、2番でボギーが先行すると4番もスコアを落とし、苦しい展開を強いられる。それでも、5番で残り115ヤードのセカンドショットをウェッジでピンに刺してこの日初バーディを奪ってバウンズバックすると、7番(パー5)もバーディ。8番はティーショットを右にミスしてボギーを叩いたが、前半を1オーバーパーで凌ぐ。後半も12番でボギーを喫しても13番(パー4)は、スタート前に決めた「攻める場面」と325ヤード先のグリーンを狙ってドライバーを振り抜いた。惜しくも1オンはならなかったが、40ヤードのアプローチをしっかり決めてスコアを戻すと、14番ではバンカーからチップインバーディ。最終18番は惜しくも3パットのミスでボギーフィニッシュとなったが、4バーディ・5ボギーの73で、森山とともに逆転優勝に貢献した。ドライバーショットが得意という栗原だが、この3日間でティーショットを「10回は林に打ち込んだ」と苦笑い。その一方で、多くのピンチを凌いでスコアメイクに繋げたアプローチとパッティングのショートゲームの冴えに、「こんなゴルフも出来るんだって。新しい自分を発見できました」と笑顔を見せた。

世界アマチュアゴルフチーム選手権同様、本選手権では最終ラウンドを終えて首位が同スコアでタイになった場合、不採用スコアによって優勝チームを決することになっている。はたして、通算11オーバーパーで首位タイに並んだ関東チームと中国チームの優勝争いのカギを握ることになったのは、関東チームでただ一人の高校生、石坂友宏だった。キャプテンとしてチームをまとめながら過ごした3日間の集大成としてスタートした最終ラウンド。しかし、出だしの1番でボギーを喫すると、4番でもスコアを落とし、8番ではティーショットを右の林に打ち込みダブルボギー。前半で4つスコアを落とし、「4オーバーパーは大きかった…ただ、2日間とも前半のスコアが悪かったので、焦りはなかった」と、得意の後半は1つスコアを伸ばして17番(パー3)を迎える。競技中は、中国チームとの差もわからず、無我夢中でのプレーだったが、石坂はこのホールでティーショットを左に引っ掛けてダブルボギー。最終ホールもボギーと2ホールで3ストロークスコアを落としてしまい、この日78の6オーバーパーでホールアウト。「負けたくないとは思っていました。でも、自分の力を出し切ることを大切に考えていて…そういう意味では、悔しいです」とホールアウト後は、悔しさを滲ませたが、全組がホールアウトしてスコア集計が終わると、中国チームの不採用スコアに石坂が1ストローク差で勝ち、関東チームの逆転初優勝が決まり、安堵の表情に変わった。「自分は、個人戦あっての団体戦だと思っていて。それでも、年長者として、メンバーを気にしながら…」と気苦労も多かった3日間を振り返りつつ、「やっぱり、嬉しいというよりも悔しいですね」と複雑な表情を見せた石坂。チームスコアには反映されなかったが、優勝には大きな貢献を果たしたプレーと、後輩たちをまとめ上げたキャプテンシーのご褒美が、最少ストローク差の大逆転劇を生んだと思えば、この3日間の苦しみにも溜飲が下がるだろう。その証拠に、チームメイトとともにメダルを授与された石坂の表情は、晴れやかだった。

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