Japan Women’s Open Golf Championship 2025日本女子オープンゴルフ選手権
10月2日(木) 〜 10月5日(日)
チェリーヒルズゴルフクラブ キング・クィーンコース
競技メニュー
競技報告:M.Ideshima 写真:Y.Watanabe
「緊張よりも楽しさのほうが勝っています」
その言葉通りに初めての本選手権で廣吉優梨菜が躍動している。
首位とは2打差の4位タイからスタートした廣吉は7バーディ・2ボギーの5アンダーパーでラウンド。最終18番でボギーになりそうなピンチも冷静に凌ぎ、通算14アンダパーの単独2位で明日の最終ラウンドを迎える。
「今日は最後(18番ホール)のパットもそうですが耐えるパーパットがよく入ってくれました。今日は昨日や一昨日よりもパーオンが少なかったんですが、このスコアで回れたことはすごく良かったかなと思っています」
最終18番は打ち下ろしのパー5。左サイドに池が広がっているものの、バーディを狙いたいフィニッシングホールだ。廣吉はセカンドショットをラフに入れるが、3打目はピンを狙いたい距離。そこで無理をせずに乗せるだけを優先させた冷静な判断力はとても高校1年生とは思えない。「普通のラフでしたが深かったので、乗ればいいかなという感じでした。15メートルくらいのバーディパットが残ってしまいましたが、そこから2パットで上がれたので良かったです」
淡々と落ち着き払った表情で大会3日目を戦い終えた。
廣吉はこの日は2つのボギーを叩いているがいずれも400ヤードを超える長いパー4。ティーショットでラフに入れてしまったことがボギーの要因になった。ただ、そのミスも冷静に分析して、明日の糧にしようとしている。常に前を向いて、常に成長しようとする姿勢が急激な成長を助長している。
廣吉が本選手権の出場が決まったのは第1ラウンドの4日前のこと。というのも廣吉は本選手権の最終予選で31位タイとふるわずウェイティングで出場を待つしかない状況だった。そこに菅楓華のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン優勝の吉報が飛び込み、最後の1枠に滑り込む形で出場を果たしわけだ。その菅とはパッティングのコーチが同じという何かの縁を感じる。
様々な幸運が重なり出場できたからこそ、心から本選手権を楽しむことができている。
「今日のツーサムでのプレーも昨日から楽しみにしていました。緊張はしていますが、緊張よりも楽しいが勝っている感じです」
今週はシンガポールで2025年度(第31回)世界女子アマチュアゴルフチーム選手権が開催されており、同じナショナルチームの岩永杏奈、新地真美夏、長澤愛羅の3人が出場している。その3人の活躍、そして3人から送られてきた応援メッセージも励みになっている。いよいよ明日の最終ラウンドは偉業に挑むことになる。2016年大会の畑岡奈紗以来2人目となる本選手権のアマチュア優勝に向けて残すは18ホールだ。