Japan Women’s Open Golf Championship 2025日本女子オープンゴルフ選手権
10月2日(木) 〜 10月5日(日)
チェリーヒルズゴルフクラブ キング・クィーンコース
競技メニュー
競技報告、写真:M.Ideshima
単独首位の堀琴音をアマチュアの廣吉優梨菜が追いかける展開。さらにはグランドスラムを目指す申ジエら実力者も虎視眈々と追い上げを目論んでいる。誰が勝つのか全く読めない明日の最終ラウンドになりそうだが、鍵を握るのはいかに真摯にコースと向き合い、自分のゴルフをやり切れるかどうかだ。
舞台となっているチェリーヒルズゴルフクラブは名設計家のロバート・トレントジョーンズJr氏が手掛けた戦略性の高いコース。本選手権開催にあたり、いくつかの改修を行っている。
今回ジョーンズJr氏の来日は叶わなかったが、44年間ジョーンズ事務所の下で設計に携わっているジョーンズJr氏の右腕とも言えるブルース・チャールトン(Bruce Charlton)氏が来日し本選手権を観戦。
「数年前に日本を訪れた際に2025年の日本女子オープンを開催する話を聞きました。そのときに改修に関する相談をされ、我々としては喜んで引き受けることにしました。ただし、一つだけ条件として挙げたのは今回の試合を観に来させて欲しい。それだけです。ギャランティは要らないからと(笑)だから今回はその約束通りやってきました。改修を行なったコースで日本のトップレベルの選手たちがどのようなプレーをするのかが非常に興味深かったんです」
ジョーンズJr氏は言わずと知れた世界を代表する名コース設計家。これまで世界各国で300以上のコースを手がけており、その中には全米オープンゴルフ選手権を開催したチェンバーズベイゴルフクラブや、全米女子オープンゴルフ選手権を開催したコードベールゴルフクラブなどがある。
チェリーヒルズゴルフクラブでの日本のナショナルオープンはチャールトン氏にどのように映ったのだろうか。
「いつも我々がコース設計をする際に大事にしていることはリスク&リワード。そのホールの攻め方、逃げ方がよくわかるようなホールを作ろうといつも思って設計しています。プレーヤーがティーイングエリアに立った時にそれが伝わり、リスク覚悟で打つ場所をそうでない場所をプレーヤー自身が判断してマネジメントすることを大切にしています。その上で上手くプレーした人が勝者になると考えています」。
第3ラウンドを観戦したチャールトン氏は雨が適当に降ったことでグリーンが止まり、今日に限っては風も無い。フェアウェイの状態も良くて、スコアを出すためのコンディションとしては完璧だったと話す。
「きっちりとリスク&リワードを理解して上手くプレーをした人がいいスコアが出るのは当然のことです。このようなスコアが出ることはいいことなのです。今日見た多くの日本の女子選手は小柄で、ボールがそんなに飛ぶような印象を受けないのに、綺麗なスウィングでボールがすごく飛ぶ。日本選手の技術力はすごく高いと感じました。特に今週上位にいる選手たちは世界的にも高い技術力だと思います。スコアが出るから簡単なコースではないのです」
リスク&リワード。この言葉を象徴するホールの一つが最終の18番(クイーンの9番)だ。
池の右サイドにバンカーが造られたが、これはディシジョンメイキングバンカーだとチャールトン氏。要するにセカンドショットを打つ際に攻め方に関する選択の指標になるバンカーという意味。リスクを冒してバンカーの上を狙うか、それともバンカー右奥の広いフェアウェイを狙うか。その判断をプレーヤーにさせるバンカーで、複数の選択肢を与えることが重要とのこと。
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