Japan Women’s Open Golf Championship 2026日本女子オープンゴルフ選手権
10月1日(木) 〜 10月4日(日)
宝塚ゴルフ倶楽部 旧コース
競技メニュー

先週の国内ツアー競技でAIG全英女子オープン制覇後、初の優勝を遂げたこともあり、桑木志帆は優勝候補の筆頭に挙げられていた。
全選手の平均ストロークが71.54だった第1ラウンドは2アンダーパーの68(5バーディ・1ボギー・1ダブルボギー)で終え、7位タイと静かなスタートを切った。しかし、強い風が吹き始めた第2ラウンドは同平均ストロークが73.18、2打近くも落ちるなか、桑木はこの日も68(4バーディ・2ボギー)の好スコアでまとめ、するすると順位を3位タイにまで上げ、予想通り優勝争いの一角に加わった。
そして、迎えた第3ラウンド。桑木はこの日のベストスコアとなる65(6バーディ・1ボギー)をマーク。通算9アンダーパーとして、2位の申ジエに2打差をつけ、ついに単独のトップに立った。
最終18番ホール(パー4)は、グリーン手前の花道から本人がひと言「完璧でした」と語るアプローチでチップインバーディ。グリーンを何重にも取り囲んだギャラリーから大きく湧いた拍手・歓声に、本人の表情は一見クールに見えたが、競技終了は「いやー、めっちゃ痺れました(笑)。めっちゃ嬉しかった。超気持ちいいです」と満面の笑みで振り返った。今大会では「見に来てくれたファンに喜んでもらいたい」と語っていた彼女の会心のフィニッシュだった。

スタート前、桑木が掲げた目標は第1、第2ラウンドと同じ2アンダーパーだった。前日同様の強い風が吹き、グリーンはより硬くなっているだろうから「スコアはあんまり伸びないだろう」と踏んでいた。だが、桑木のスコアは序盤から動いた。スタートホールでバーディを奪うと、4番ホールで2つ目のバーディ。直後の5番ホールでボギーを叩いたあと、しばらく停滞の時間帯が続いたが、そこを焦らず耐えると、12番ホールのバーディをきっかけに再び加速。後半だけで4つのバーディをマークした。
後半の9ホールについて、多くの選手が「より難しい」と話すが、桑木は少し違った捉え方をしていた。確かに15番、16番ホールは「パーで抑えたい」と慎重に構えなければならないが、半面で「チャンスのホールもあるので、一概に後半が難しいという感覚はなく」、ホールごとにメリハリをつけた戦略の結果の4バーディだろうという。
また、この日はプレーを待たされることがたびたびあり、リズムを崩したような選手もいたが、桑木はそれにも動じなかった。海外メジャーではより待たされ、何度か痛い目に遭って泣かされた経験から「自分の時間は、自分できっちり作る」ことができるようになったという。具体的には、キャディと世間話をしたり、景色やギャラリーを眺めたりしながら、自分のリズムを保つことに専念したと明かす。

迎える最終ラウンド。2打というリードには、「このコースの2打差って、あってないようなもんだとも思うので、ちょっとしたアドバンテージをもらったかな、というくらいに考えて回り切りたいですね」と割り切る。そして、最終組で一緒にラウンドするのは、世界の頂点(世界ランキング1位)に立ったことのある、そして桑木と同じ「AIG全英女子オープン」の歴代チャンピオン(2度制覇)の申ジエだが……。そのことにも臆する気配は見られない。「世界を経験されているジエさんと回るのは楽しみですし、すごい勉強になる部分もいっぱいあると思うので、『ふたりで』と言っては何ですが(失礼ですが)、一緒にいいプレーができたら嬉しいです」と笑顔。心から楽しみにしている。
「泰然自若」。今の桑木志帆はどんな状況にも、プレーも心も揺らぐことはないだろう。