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Championship Report

競技報告

2014年度(第29回)アイゼンハワートロフィー 世界アマチュアゴルフチーム選手権

【薄氷を踏む思いで達成した最多優勝更新のアメリカチーム】
第4日 競技報告:JGA 写真:Gary Kobayashi
Yoshitaka Watanabe
優勝 アメリカチーム
Denn yMcCarthy
Bryson DeChambeau
Jim Hylerキャプテン
Beau Hossler
第3ラウンドを終えて、2位のスウェーデンに3打差をつけたアメリカチーム。3日間チームメンバー全員が60台をマークする高次元のプレーは、他を寄せつけない圧倒的な強さを見せていた。最終ラウンドもデニー・マッカーシーがスタートから4連続バーディを奪うと、5番(パー5)でイーグルを奪取。7、8番でも連続バーディを奪ったマッカーシーは、前半だけで8ストロークもスコアを伸ばして見せた。しかし、世界アマというタイトルの重さからか、アメリカチームに重い雰囲気が漂い始める。

これまでチームを牽引してきたブライソン・デ シャンボーが1番でバーディを奪いながら2番ボギー、6番バーディの後に8番でダブルボギーと出入りの激しい内容で、前半を1オーバーパー。エースのボー・ハスラーも2ボギーと、マッカーシーが作ったリードを広げることができない。その間隙をぬってカナダが猛追を見せる。前半を終えて、コリー・コナーズが5アンダーパー、アダム・スベンソンも4バーディを奪った。後半、アメリカは頼みの綱となったマッカーシーのバーディラッシュも止まり、カナダに逆転を許してしまう。カナダの1打リードで迎えた熱戦は、最終組のブライソンとコリーのスコアに委ねられた。「18番のティーインググラウンドに立った時、この最終ホールでバーディが必要なんだということが分かった」というブライソンのティーショットは、330ヤード先のフェアウェイ真ん中に。残り110ヤードのセカンドショットはウェッジで3メートルにつけて、コリーにプレッシャーを与える。3オンのコリーは、ブライソンのバーディパットを見つめている。その目の前で、ブライソンがバーディを沈めて、アメリカチームが最後の最後でカナダを逆転。薄氷を踏む思いながらも通算38アンダーパーで大会最多優勝記録を15に伸ばして、世界アマの幕が閉じた。

「29回目の大会で優勝を飾れて、とても嬉しいです」ジム・ハイラーキャプテンは、劇的な幕切れに興奮気味に話し始める。「メンバー全員が最後までよくやってくれました」と選手を労い、「デニーは今日、好スタートを切ってくれました。ブライソンは昨日、素晴らしいラウンドを見せてくれましたし、最後のホールのバーディパットもしっかりと決めてくれました。ボーも第1、第2ラウンドと、私たちが優勝するためのクッションを敷いてくれました」と、優勝杯を手にした選手たちの活躍を心からの言葉で褒め称えた。アメリカチームの連覇を決めたブライソンも興奮冷めやらぬ表情で、「信じられないことを経験させてもらいました」と喜びを爆発させる。前半、アメリカチームを牽引したマッカーシーは、最後まで自分たちが優勝したとは信じられなかったようで、「ブライソンがパットを決めてキャップを獲った瞬間まで、自分たちが優勝したことはわからなかった」と、苦しい1日を振り返る。「メンバー1人1人が大きなことを達成できたと思います。自分は、今日のプレーは苦しい内容になりましたが、チームで勝ち取った優勝を、とてもうれしく思います」と、満面の笑みで語るのは、ボー。3者3様のコメントだが、最後までエキサイティングな展開に興奮を抑えきれないのは、変わらない。

最後に、大接戦を制したアメリカチームの知将、ジム・ハイラーの言葉をひこう。
「世界アマはとても成長している。選手の技術もこの10年で、レベルアップしていますし、とても明るい話題が多いと思う。次回のオリンピックではゴルフ競技が行われます。オリンピックでゴルフ競技が成功を収めるためには、たくさんの国のサポートが必要ですし、この世界アマには多くのチームが参加しています。これからもこのような国際大会は成長を続け、もっと繁栄する必要があることを、みんなが知ることでしょう」。
2年後のリオ・デ・ジャネイロ、そして2020年に控える東京五輪に向けて、この世界アマは、ホストを務めた日本にとっても大きな財産を残してくれた。


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