Championship Reports競技報告

スタートはフワフワとした緊張感に包まれるも、5番のバーディで一気に解放。69をマークしてのラウンドで単独トップをキープした山本優花

写真:Y.Watanabe / Y.kawatani
報告:Y.Koseki

第2ラウンドで64という本選手権の最少スコアタイ記録をマークした山本優花。ムービングデーは、2位に2打差の単独首位で迎えることになったが、「“ビッグスコアが出た次の日は良いスコアは出にくい”と勝手に思っていたので、まずはパープレーを目指そうと考えてスタートしました」と胸の内を明かす。

しかも、スタート時には自分がフワフワとした、地に足の着かない緊張状態にあることも分かったため、「(そこで)バタバタしてスコアを崩してしまうと、あとの流れが悪くなってしまうので、最初は攻めすぎないように」とより気を引き締めた。心掛けた戦略は、具体的にはティーショットは確実にフェアウェイに置くこと。驚いたことに、ドライバーの飛距離240~250ヤードのロングヒッターでありながら、第3ラウンドのフェアウェイキープ率は100%。一度もラフに入れなかった。そして、セカンドショットは曲がってもグリーンに残るくらい保険を掛けて狙いを定め、とにかくパーオンさせることにエネルギーを使った。

本人にとって、それは昨日とは一転した「耐えるゴルフだった」。しかし、緊張感が徐々にほぐれると、5番(パー4)で残り120ヤードほどの第2打がタップインの距離につき、「お先にバーディ」。そこで緊張感から一気に解放されたのか、続く6番、そして8番ホールでバーディを奪取。前半を33とする。

ところが、後半は「けっこうチャンスは多かったのですが」、昨日は面白いように入ったパッティングが今日はそうはならない。惜しくも外したショートパットがいくつもあったという。そんな展開のなかの13番(パー3)。ここで、第1ラウンド(1番ホールスタート)の7番以来のボギーを喫する。後に尾を引く心配もあったかと水を向けるが、「全然なかったです。ティショットをちょっとミスして、グリーンのずっと手前に落としちゃって……その時点で『あっ、ボギーかな』って割り切れたので」と笑って振り返る。

終わってみれば、今回が初めての日本女子アマチュア選手権でここまで単独トップ。「ビックリです。最初は4日間プレーすることを目標にしていたので、まさかこんな位置(順位)で4日目を迎えるなんてって感じ」。

本人も予想外の展開の背景には、キャディを務める姉の存在が大きい。

「お姉ちゃんとはラウンド中に一緒に歌を歌ったりして(笑)。私は、ひとりで回るときにスコアが悪くなると、ひとつのことしか考えられなくなるんです(と、両手を前方に伸ばして小さな的を作る)。けど、お姉ちゃんといるとそれがなく、リラックスして(広い視野で)考えられるのがいいんだと思います」と語ったうえで、明日も姉と一緒に楽しくプレーしたい、プレーできると思うと笑顔を見せる。

大会前は考えもしなかった「優勝」がすぐそこ、手の届く距離にあることは間違いない。

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