Championship Reports競技報告
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水上晃男の心に今でもしっかりと残っている言葉がある。師匠として尊敬する阪田哲男氏からの金言だ。「私は雨や風が強い悪天候になったときは、“もっと(天候が)崩れろ”と思ってラウンドするよ」。最初、水上は阪田氏が何を言っているのか分からなかった。雨風なんて嫌に決まってる。天気に恵まれた方が良いスコアを出せるという思いもあった。キョトンとする水上に阪田は続けた。「皆がスコアを落としていくんだから、自分さえ我慢していれば、順位がどんどん上がっていくだろ」と。そこで水上はようやく阪田氏の意図を理解した。
「気持ちのことおっしゃりたかったんだと思います。“雨よもっと降れ、順位を上げるチャンスだぞ”と思ってプレーするのと、“雨か、嫌だな”と思ってプレーするのとでは、モチベーションが全く違いますからね」。本大会は第1日、第3日が悪天候に見舞われたが、水上は第1ラウンドが1アンダーパー、第3ラウンドがイーブンパーだった。当然のように「雨よもっと降れ」という気持ちでプレーしたという。
もちろん、気持ちだけではスコアを落とさずにプレーできない。磨き上げられた技術があるからこそ、悪天候を歓迎できるのだ。阪田氏といえば、本選手権はもちろん、日本オープンローアマチュアのタイトルや世界アマチュアゴルフチーム選手権個人戦のメダリストにも輝いた実力者だ。水上もいわずと知れたトップアマチュアとして高い技術を誇る。しかも、59歳になった今でも技術を追い求める気持ちは衰えない。

「アイアンショットの精度には自信があります。方向性はもちろん、縦の距離感もボールを投げるような感覚で運べるようになったんです」。さらに、最近になってドライバーショットの打ち方が分かってきたというから驚きだ。以前は左に池があれば池の上からフェード、右に池があっても池の上からドローという感じでボールを曲げていたが、今は素直に目標に向かってストレートボールを打つようになったという。
「インパクトでの両手の位置を意識したらすごくよくなったんです。ボールが全然曲がらなくなりましたね。59歳にしてやっとドライバーが分かってきました」。第3ラウンドに最終組でプレーをともにした中土靖も思わず唸るほどのショットの精度を見せた水上。ドライバーとアイアンが無敵であれば、天候がどんどん悪化しても問題はないだろう。
体力面でも筋トレを欠かさず行ったり、アルコールの量を抑えたりなど、ゴルフを少しでも長くやるための努力は欠かさない。昨年大会での4連覇はならなかったが、心技体が充実している今の姿を見ると、今年から再び連勝街道を突き進みそうだ。

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