JGAではレフェリーの規則知識を評価するために毎年12月にJGAルールテストを実施しています。このテストは2019年に開始され、今年で6回目となります。このルールテストはJGA規則委員会によって運営されており、このテストの目的を鈴木規則委員長は次のように説明しています。
「ゴルフはプレーヤーが正しい規則を知って、その規則を適用し、自らに罰を課して、スコアを申告するというようにプレーヤーが自分のプレーのすべてに責任を持つという特徴があるため、歴史上、審判の存在は重要視されていませんでした。しかし、競技が倶楽部外においても頻繁に行われるようになり、ツアー競技のように映像がプレーを記録するようになってくると、規則の適用の正確性や、競技の公平性などが重要視されるようになり、プレーヤーが規則について疑問があるときに、その手助けをするレフェリーの役目も大きくなってきました。そして、他のスポーツと同様、知識と技術があることが証明されたレフェリーがゲームを運営する必要性が高まってきました。
そこで規則委員会は2013年からR&Aの規則教育プログラムを日本でも実施し、規則普及活動とともに、競技のレフェリーの育成にも力を入れてきました。レフェリーのためのテストとしてはR&AのLevel3テストやUSGAのテストがありましたが、いずれも英語でのテストであり、一般の方が簡単には受験できない問題点を解決するために、誰もが日本語で受験できるJGAルールテストを導入し、第2回からはオンラインテストを導入し、全国どこからでも受験できるようにしました。
レフェリーをする人が自らの知識を証明することは当然です。このテストを導入したことによって、本当に規則の知識がある人が誰なのかが明確になり、正確な知識がある人が競技を運営することにより、紛議を即座に解決することができるようになり、競技の信頼性も高まっていると実感しています。このテストは合否を判定するのではなく、そのスコアを各団体や倶楽部がどのように評価するか柔軟に対応できるようにしています。現在ではPGA、JLPGAのプロフェッショナルレフェリーの方も毎年受験をしており、各団体でレフェリーの研鑽、そして評価に活用しています。
このようなテストの実施のメリットは多くありますが、知識だけでレフェリーができるわけではないことに注意が必要です。レフェリーをするためには知識を持っていることは当然であり、そのことに加えコミュニケーション能力や、チームマネジメントなどコース上で必要な技術を身に着けていなければなりません。そしてこれらの技術の習得には経験も必要となってきます。
JGAルールテストを受験することはツアーや日本選手権レベルのレフェリーだけでなく、ゴルフ倶楽部や競技運営に従事する方にとって有益です。レフェリーのように高いスコアを得点しなくても、このテストのためにオフィシャルガイドを読んで勉強することが、競技運営者としてかならず役に立つことでしょう。各倶楽部や競技団体に正しい規則知識を有していると証明できる人材が増えることは、正しい規則の普及や、公平な競技の運営に良い影響を与えることが期待されます」
このJGAルールテストをレフェリーの育成、採用に活用しているJGAの市村チーフルールズ・ディレクターは次のように述べています。
「JGAが主催するナショナルオープンのレフェリーは最高レベルの規則知識と技術を有していることを求められます。しかも、そのレフェリーのほとんどはボランティアとして参加しています。ボランティアですが私達のレフェリーは高い知識と技術を持っています。レフェリーは毎年、JGAルールテストを受験し、そのスコアを評価されて選考されます。スコアが基準を満たさなければ次のシーズンでレフェリーをすることはできません。
レフェリーの中にはR&A Level3やUSGA/PGAのルールワークショップに自費で参加し、テストを受験する方もいますし、机上の勉強だけでなくオフシーズンには、コース上で技術の練習を繰り返します。そのような研鑽を積んでも、コース上で起きた問題を短時間で正確に解決することは容易ではありません。緊張に耐えながら一日中コース上でプレーヤー達を支援するボランティアレフェリーの皆様には敬意と感謝を表するしかありません。
レフェリー達は強制されなくても毎年JGAルールテストを受験しています。その理由はテストが規則を勉強するモチベーションとなっているからです。テストがなければ、毎日、500ページを超える分厚いオフィシャルガイドを読み続けることはよほどの規則好きでないと無理なことです。レフェリーの資格を得るためにはスコアを取らなければなりませんが、何よりも重要なことはオフシーズンの2,3か月の間に規則書をじっくり読み、知識を確認し、新しい解釈をアップデートすることです。テストは毎年12月中旬に開催されます。このテストが終了し、レフェリー達はようやく1年を終えるのです」
JGAルールテストは基本的な問題を理解していれば、70点~80点は得点できるようにデザインされています。倶楽部の競技委員、競技担当者であれば70点を目指せば良いですし、レフェリーや規則の講師は100点を目指すかもしれません。合否はなく、各自で目標点数を設定して受験できるので、どなたでも受験できます。
JGAではレフェリーの規則知識を評価するために毎年12月にJGAルールテストを実施しています。このテストは2019年に開始され、今年で6回目となります。このルールテストはJGA規則委員会によって運営さ…
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