第1回大会以来2度目のチーム優勝を果たした九州チーム(井戸川純平・出利葉太一郎・芹澤慈眼)は、優勝メダルを首からかけられ、喜びを爆発させた。
その九州チーム優勝の原動力となったのは、エースの名に相応しい活躍を見せた芹澤。通算4アンダーパーで最終ラウンドをティーオフした芹澤は、3番でボギーが先行したものの、直後の323ヤードの4番(パー4)で得意のドライーバーを強振。果敢に1オンを狙ったショットは、グリーン右サイドまで飛び、バウンズバックを決めると、続く5番も4メートルを沈めて連続バーディ。8番でスコアを落とし前半はイーブンパーに終わったが、攻めの姿勢は後半も変わらない。12番から連続ボギーを叩いたが、210ヤードの14番(パー3)で5番アイアンのティーショットを3メートルにつけてバーディを奪い、最終18番も残り71ヤードのセカンドショットをウェッジで1メートルにつけ、チーム戦優勝とともに個人戦優勝を手にするバーディフィニッシュを決めた。
「2回目の出場ですが、この間の自分の成長を実感できる3日間でした」と充実した表情で通算5アンダーパーまでスコアを伸ばした本対抗戦を振り返る。「プロツアーにも出場させていただいて、コースの攻め方や悪いなりにもスコアをまとめる技術。ショットに臨む気持ちの持ち方を身につけることが出来てきたと思う」と、大きな手応えを感じている。この手応えを確かめる舞台となるのは、来年3月に予定されているオーストラリアで開催される国際競技。個人戦優勝による派遣は、前回の対抗戦で2位に終わった悔しさを晴らして手に入れた晴れ舞台に「本当に楽しみ」と、今から胸を躍らせる。4年前に東京ゴルフ倶楽部で開催された日本アマチュアゴルフ選手権で新星のごとく注目を集めた逸材が、勇躍、世界の舞台に打って出る。その機会を勝ち取った今年の対抗戦は、芹澤にとって忘れられない試合となっただろう。
出利葉太一郎の最終ラウンドはボギーが先行する苦しい流れとなった。「ティーショットを林の中に打ち込んでしまったり、アプローチで寄せたのに短い距離のパットを外したり…」と思うようなプレーができず、4オーバーパーに終わったが、第1ラウンドのプレー振りは、その才能を充分に感じさせるものだった。チーム優勝に喜びはしたものの、チームメイトの芹澤とのスコア差は、「芹澤君は調子が決して良くない中で5アンダーパー。この差を埋めていきたい」とライバル心に火をつけた。喜びと悔しさ。きっと出利葉には、後者のほうが心の裡を占めているのだろう。その悔しさが、さらに出利葉を高みに導いていくに違いない。
第2ラウンドでチームに貢献したものの、残り2日間は不採用スコアに終わってしまった井戸川純平。この日野ラウンドも3バーディを奪いながら、6ボギー・1ダブルボギーとスコアをまとめきれず77に終わり、「3日間、自分のゴルフができなかった」と悔しさを滲ませた。「ドライバーショットがずっと曲がってしまっていて…」と言葉を飲む。「チームメイトの2人の技術、メンタルには見習うべきところが多かった」と優勝という結果よりも、大きなものを学んだ3日間を振り返ってくれた。
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