Japan Senior Open Golf Championship 2026日本シニアオープンゴルフ選手権
9月17日(木) 〜 9月20日(日)
玄海ゴルフクラブ
競技メニュー
競技報告:Y.Koseki 写真:Y.Watanabe / K.Aida

昨年大会の最終ラウンドは、首位のタマヌーン・スリロットと5打差の6位からスタート。堅実なプレーの連続で、一時は優勝したスリロットを捉えそうな勢いを見せ、最終順位を2打差の2位タイとした海老根文博。今年は、第3ラウンドでこの日のベストスコアタイとなる6アンダーパーの65をマークし、トップタイの宮本勝昌と岩本高志と1打差にまで接近。明日、逆転優勝を狙える位置まで順位を上げた。
だが、ラウンドを終えた海老根の口から出てきたのは優勝への意欲を示す言葉ではなかった。「どうなんですかね。もうわかんないっす。全然わかんない(笑)」。いつものように「控えめ」、というか「弱気」だ。
実際、この日のラウンドは順風満帆ではなかった。前半はスリーパットが2度あり、1バーディ・2ボギーの1オーバーパーという低調。そこで、海老根も「今日は(ダメかな)……」と気持ちが沈みかけたという。
ところが、後半に入ったところで、「たまには自分に喝を入れないとダメですね」と振り返るように、自らを奮い立たるとゴルフが一変した。結果、後半はパー3の13番と16番ホールを除く、7ホールすべてでバーディを奪取。「なんか、別人になっちゃいましたね」と、もともと優しい相貌がもう一段柔和な笑顔になった。
後半も、「途中で辛くなっちゃって、また(弱気に)切り替わっちゃいそうになったんですけど……。まあ、最後まで維持できたので良かったです」と、決して万全ではなかったことを冗談めかして語るが、そこからは苦しい状況でも冷静なマネジメントで踏みとどまった海老根の強さが見える。

実は、海老根は今年に入ってから練習で「無理して、頑張ったせいで(笑)」左腕を故障していた。そのため、その後の半年間は痛みに悩まされ、思うようにクラブを振れなかったという。そうした時期があっただけに、「今はやっと怪我が治って、五体満足にクラブ振れるようになったので、もう本当嬉しいですね」と生き生きとした表情で嬉しそうに語る。
心身の充実。さらに、玄海ゴルフクラブの難しいコースセッティングについては、「ちゃんとティーショットを(フェアウェイに)打たないと。バンカーも効いてますし、ラフも深い。本当にセッティングが難しい」と冷静に分析する。ただし、この日、好スコアをもたらしたであろう「攻略のポイントは?」との質問には、「特にないですね。何も考えてない(笑)」と、海老根らしく照れ笑い。そのうえで、明日も「泣かないように頑張ります(笑)」と弱気のひと言を加えてきた。
「明日も、やってみなければ分からない」と言うが、この日の「65」というスコアが彼を優勝候補の一角に押し上げる。何より、苦しい場面でも自分に「喝」を入れ、スコアをまとめ上げた確かな技術とマネジメント力、そして精神力を持っていることも確かなのだ。