競技メニュー
報告:Y.Koseki 写真:Y.Watanabe / S.Osawa
今季の中島啓太は欧州DPワールドツアーを主戦場としている。そこでポイントランキング上位に入り、来季の米ツアー出場権を獲得することを主眼に転戦している。その中島が大事な欧州ツアーの終盤3試合を欠場してまで選んだ今回の日本オープン。地元の埼玉県加須市出身、そしてJGAナショナルチーム出身の中島だけに、大会前の共同記者会見では「かなり気合を入れてきました」と意気込みをみせた。ところが、その気合が第1ラウンドの7ホール目に挫かれる。7番(パー4)の第2打、深いラフのなかで浮いたような状況で止まっていたボールを2度空振り。結局5オン・2パットのトリプルボギーとして深い痛手を負ってしまった。
しかし、折り返し後は10番からの3連続バーディを含む、5バーディー・ノーボギーと巻き返す。結果、第1ラウンドを1アンダーパーの7位タイで終えた。
そして、今日の第2ラウンドもその流れを崩さず、4バーディ・1ボギー。通算4アンダーパーはトップタイのポジションで週末の36ホールを迎えることになった。
「昨日の後半から、ボギーの数を1つに抑えられ、27 ホールで8つ伸ばせたので、いい予選ラウンドになったかな、と思います」と満足気に語ったあと、「ただ、後半のパー5(5番)でボギーとしてしまい、唯一そのホールだけ大きなミスをしたので、そこは修正しなければと思っています」と、すぐにも練習場に乗り込みたい口調。
そのミスというのは、第3打のアプローチ。ボールがグリーン周りのラフのなかに浮いたようなライだった。そこで、「昨日の(2度の)空振りが頭をよぎって、消極的な攻めになってしまった」と明かす。
そこから、残り4ホール。さらに尾を引く恐れもあったが、中島は「ボギーを打った後の6 番のティーショットがかなり大事になるなと思って、5 番から6 番はインターバルが長いので、そこの間でうまく切り替えることができました。ティーショットをフェアウェイに置けたので悪い流れを切れたと思います」と最悪を回避した。
欧州ツアーの経験が役に立っているのだろうか。
「(コース戦略については)全く別物と考えています。ピンの位置が、例えば今日は端から7(ヤード)のホールがあったと思いますが、7あると少し広く見えたというか、7だったら思い切ってショートサイドに攻めてもいいかなとか、そういう視界の広さは多少身についたかな」と語る。
さて、明日からはさらなる大混戦が予想される。その先頭に立つ中島には、地元の友人・知人が大勢応援に駆けつける予定だ。「地元開催の日本オープンですし、週末はたくさんの方に会場に来てほしいです。(しかし、彼らの前で)コースが難しいので、そこで苦しんでゴルフをしているところはあまり見せたくない。せっかく日本でゴルフしているわけですし、楽しくゴルフしているところを見てもらいたいです。(そして)楽しみながら勝ちたいです」
もとより本大会の“注目の的”の中島啓太が真価を発揮。求められる立場を全うしようとしている。