10月16日(木) 〜 10月19日(日)
日光カンツリー倶楽部
競技メニュー
写真:Y.Watanabe
2025年度(第90回)日本オープンゴルフ選手権が明日10月16日、栃木県日光市の日光カンツリー倶楽部で開幕する。オーガスタナショナルとR&Aから本年大会から優勝者に翌年のマスターズの出場資格、全英オープンゴルフ選手権も本選手権優勝者がすでに同選手権の有資格者であった場合、次位のワールドランキング上位者に出場資格が付与されることが発表された。ナショナルオープンとしての緊張感はもちろんのこと、ゴルファーの夢舞台への挑戦という意味も加味されて、より熱戦への期待が高まる本大会の開幕を控えた選手たちは、万全の準備を進めている。
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ディフェンディングチャンピオンの今平周吾は、「ラフもしっかりと長くて、グリーンも硬めなので、気を使いながらいかないといけない。グリーンも見えない傾斜、山からの傾斜もあるので、難しい」と2003年大会以来2度目の日本オープンゴルフ選手権開催となる日光カンツリー倶楽部の難しさに警戒を強めている。今シーズンは未勝利ながらもパーオン率、パーキープ率でトップ10に名を連ねる安定感あふれるゴルフは、さすがというところだ。それに加え毎年秋から調子を上げているのが常だけに「だいぶ調子も上がってきていますし、今週は1打でも少なく、1日1日プレーしていきたい」と、自分のゴルフへの手応えも感じている。14日には、チャンピオンズ・ディナーに出席し日光東照宮を訪れ、「良かったです。パワースポットでもあるので、パワーを貰いました」と気合も入ったよう。今年から優勝者にマスターズへの道が開けたことへの感想を聞かれ、「すごいことですね。今年から出られるので、頑張りたいなと思います」と胸の裡にある炎を見せることなくクールに、1999年、2000年の尾崎直道以来となる大会連覇に向けて、泰然自若に開幕を迎える。
アマチュア時代から日本オープンゴルフ選手権で上位成績を残している金谷拓実。アメリカと日本を何度も行き来するハードスケジュールの中、「日本オープンは自分にとって特別な大会でもあるし、そこで優勝したいという気持ちがすごくある」と、ナショナルオープンへの出場を決めた。その特別な大会と位置づけている日本オープンの舞台となる日光カンツリー倶楽部は、「日本オープンらしいセッティングだと思いますし、コースもティーショットが重要だと思います」との印象だ。その中で望む結果を掴み取るには「良い準備が必要」と、月曜日に9ホール、昨日はプロアマ大会で18ホールをプレーしてコースの特徴を掴んできた。先週の日本開催のUSツアーで存在感を示して勢いに乗っているであろう金谷だが、「先週は良いプレーができましたが、しっかりとリセットして。今週は今週でコースと向き合って頑張りたいなと思います」と、金谷らしい落ち着いた心持ちでナショナルオープンに挑むつもりだ。
2024年シーズンに年間4勝をあげて金谷拓実と賞金ランキングトップの座を争った平田憲聖。今シーズンは、コーンフェリーツアーに参戦して国内ツアーはこれまで1戦のみの出場だが、見事に同ツアーのランキング上位に入って2026年USツアーの出場資格を手にして、ナショナルオープンに凱旋。しかし、平田は結果を残しての帰国も「100%の力を出せたかと言われるとそうではないというか……もっともっとできたと思うし、勝ちたかったです」と満足とは言えなかったという。その中で、「日本とは違う環境にあって予選落ちなど結果が出ないときにゴルフと向き合ってやれたというのはメンタル的に成長できたと思います」と、さらなる成長も実感した。帰国は昨夜というスケジュールの中、日本オープン優勝からマスターズ出場を目標に本選手権出場を決めたという平田。「良いコンディションとは言えない」のが正直なところだが、「明日から自分のできるゴルフをして、優勝争いができたらいいかなと思います」と海外挑戦で得た自信を結果に結びつけることを誓った。
第90回大会の舞台は70周年を迎える日光カンツリー倶楽部。2003年大会以来2度目の本選手権開催に、戸張捷ゼネラルプロデューサーは、「日本オープン、そして日光カンツリー倶楽部にとってもひとつの区切りの年での開催に向けて、プレーのラインを妨げる木、ナイスショットを打ったときにピンを振ったときにも木が重ならないように、プロにとって不公平になるような木とともに、ギャラリー導線、施設物の建設スペースも確保するために伐採をお願いしました。また、ラフは100ミリメートルですが、ちょっと寝てしまっているので、芝を起こしてラフの難しさを際立たせるよう明日に向けて最後の準備を進めていただいています」とコースの状況を説明。山中博史オープン事業本部長からは、「明日は30ミリメートルに近いかなりまとまった雨の予報もあり、悪天候に備える準備をコース課に行ってもらっています」と、グリーンキーパーをはじめとするスタッフの作業状況を紹介。さらに、「日光カンツリー倶楽部は、グリーンのアンジュレーションが強いので、ホールロケーションによってかなり難易度が変わります。ティーイングエリアも2つのティーボックスをホールロケーションや天候状況によって使い分ける予定。日光カンツリー倶楽部の通常のコースレートが7,236ヤードで74.8。日本オープンでは76.1と普段でも難しい日光カンツリー倶楽部が日本オープンでさらにコースの難易度が上がっています」と、日本一のゴルファーを決めるのにふさわしい難易度になっていると説明があった。
なお、先日日光カンツリー倶楽部の近くで子熊が発見されているため、ゴルフ場、行政、日光市と話をして、ゴルフ場周辺に熊が嫌がる薬剤の散布、スタッフにはホイッスルやスプレーの携帯、ギャラリープラザの食材の持ち帰りなどの十分な安全対策を実施し、行政と連携して大会運営を行っていくことが説明された。
日本オープンゴルフ選手権第1ラウンドの模様は、10月16日15時10分から17時(予定)にNHK総合テレビで生中継の予定ですので、ぜひ御覧ください。
本大会のプログラムはウェブブックでご覧いただけます。
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