10月16日(木) 〜 10月19日(日)
日光カンツリー倶楽部
競技メニュー
競技報告:M.Ideshima 写真:Y.Watanabe / S.Osawa
昨日の雨から一転、秋らしい清々しい青空が広がった日光カンツリー倶楽部だったが、上空を吹き抜ける読みにくい風の影響からか天気の良さほどスコアは伸びなかった。そんな中で4アンダーパーの66をマークした原敏之が、通算3アンダーパーとして首位タイに浮上した。
好調の余韻はすでに夏頃にあった。8月に行われた『リシャール・ミル チャリティトーナメント』では順位こそ42位タイだったが、少しずつ思うような球が打てている感触があった。ただ、トーナメントで上に行くには何かがまだ足りない。その何かとは、原曰く「ゴルフが噛み合うこと」とのこと。その感覚はやはり試合でしか掴むことができない。原は『リシャール・ミル チャリティトーナメント』から今週の試合まで7試合に出場して予選落ちはわずか1試合。その中には6位タイの好成績もあり、徐々にゴルフが噛み合う感覚を強めていた。
そんな原だが「まだ手放しでは喜べない」とラウンド後に表情を引き締めるように話し始めた。もちろん本選手権のハードなセッティングの中、4アンダーパーでラウンドできたという安堵の気持ちはあるだろうが、それでもまだまだ半分と自らに言い聞かせているようにも見えた。
「今日はパッティングに尽きます。完璧と言ってもいい内容でした。最後のパーパットもですが、微妙な距離を何度も入れることができました。自分で言うのも変ですけどラインもきっちり読めていたし、冴えていたと思います。ただ、ラッキーが多かったことも事実です。日本オープンは厳しいホールロケーションに対してピンポイントに打っていけた選手が勝つし、打っていけない選手はどんどん苦しくなる大会なので、その点でこの2日間はしっかり自分が思うようなプレーができていると思います。ただ、明日からも地に足をつけて自分のゴルフをやり切ることが大事だと思っています」。
原の今のゴルフの状態は確かにいい。2日目を終えて勝ちを口に出してもいいところだが、出し切れない自分がいる。その理由は、堂々と口に出せるほどの自信を積み重ねることができていないからだ。
「勝ちたいと言い切れるにはまだ経験が足りないですね。もちろん勝ちたい気持ちはありますし、2日目を終えて良い位置にいることは間違いないですが、勝つと言葉にするにはまだ足りない気がします」。
順位に浮つくことなく原は冷静だ。しっかり自分の状況を見極めることができている。本選手権で原は来シーズンのシード権を確実なものにすることを第一目標に据えている。今日のゴルフは今日のゴルフとして気持ちを切り替えて、明日もひたすら自分と向き合うつもりだ。それができれば自ずと優勝の二文字が見えてくるはずだ。
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