10月16日(木) 〜 10月19日(日)
日光カンツリー倶楽部
競技メニュー
競技報告:M.Ideshima 写真:Y.Watanabe / S.Osawa
願わくば最終ホールのパーパットは沈めたかった。
通算3アンダーパーの首位タイからスタートした金子駆大。1番、2番、5番とバーディを重ねる順調な滑り出しだったが6番のボギーでやや潮目が変わる。
「良い流れを作れなかったと言うよりはチャンスについてもラインが良くなかったり、しっかりバーディパットを打てる位置に乗せらせなかったりという感じでした」
この日の金子は5バーディ・4ボギーの1アンダーパーの69。ショットの調子は66をマークした昨日と同様に好調だっただけに、もう1つ2つ伸ばしたかったのは本音だが、粘り強く良いパーパットを決められたという好材料もある。
金子にとって本選手権はゴルフ人生の大きなターニングポイントになっている。大阪府の茨木カンツリー倶楽部・西コースを舞台に行われた2023年の本選手権で、予選会から出場した金子は3位タイに入り初めてのシード権を確定させている。
大会前はシード権からかけ離れたランキングで、本選手権後に出場できる試合もほぼ残されていない状況だった。そんな中で最終ラウンドの最終ホールの微妙なパーパットを捩じ込み、ガッツポーズを静かに何度もやっている姿が印象的だった。まさに滑り込みで次年度のシード権を獲得できたのだ。
そんな良い思い出がある大会だからか、金子の本選手権との相性は良い。
「こういうタフなセッティングは自分の中では得意なので、日本オープンは会場が毎年変わりますけどやることは変わらないので、そこが日本オープンを好きな理由かなと思っています」。
結果的に3日目はフラストレーションが溜まる内容のゴルフだったが、明日の最終ラウンドにやるべきことはわかっている。何かを変えるのではなく、自分との戦いに徹すること。それを金子駆大自身が一番理解している。首位とは4打差があるが、逆にそのストローク差が金子を自分のゴルフに集中させる要因になるかもしれない。
勝って真の日本オープン男の称号を手に入れることができるか、明日の最終ラウンドのプレーに注目したい。