10月16日(木) 〜 10月19日(日)
日光カンツリー倶楽部
競技メニュー
競技報告:Y.Koseki 写真:Y.Watanabe / S.Osawa
今年のローアマチュアのタイトルは、東北福祉大学ゴルフ部キャプテンの古瀬幸一朗(大学4年)が獲得した。この日の古瀬は2アンダーパー(5バーディ・3ボギー)のラウンドで、3打先を行くH・タキス(オーストラリア、20歳)を前半のうちに抜き去ると、後半も危なげない展開で逃げ切った。「今日のプレーだけで言えば100点に近いゴルフだったと思います。(東北福祉大学の)偉大な先輩たちが多く名を連ねるタイトルなので本当に光栄で、すごく自信になります」と素直に喜ぶ。
だが、大会前に彼が考えていた目標はこれとは違った。
「本心を言うと優勝を狙っていました。もっと上を目指そうと思いながらゴルフをやっていますから」と真剣なまなざしで語る。
しかし、それが叶わぬ夢となったこの日は「ローアマチュアは獲れる順位(3打差)にあったので、もちろん狙ってはいましたが、それよりもアンダーパーで回ることが一番の目標でした」と明かす。それは、この日本一タフなコースセッティング、日本一熾烈な順位争いのトーナメントの最終ラウンドに、アンダーパーという至難の目標に挑むことで、自分の現在の力量が計れると考えたからである。そして、それにより来年飛び込むことになるツアーにおける自分の立ち位置、果たしてどこまで通用するのかを計りたかったという。
今回は古瀬にとっては8月の日本学生ゴルフ選手権に続く今季2つ目のビッグタイトルだが、この一年はタイトル獲得だけでなく、競技でいいスコアを出せるようになったなど、ゴルフの成長に確かな手応えを感じている。「技術面で特に大きく変わったことはないんですけど、今年自分は東北福祉大学のキャプテンになって、やっぱり自分がチームを引っ張っていかなければならない立場であることを自覚して、一試合一試合臨んできたことが良かったんだと思います」。キャプテンという立場で、大学を代表して試合に出させてもらった以上、コーチや監督の期待に応え、いい報告をしたいという強い気持ちで戦い、結果を出したことで成長できたのだろうという。
そんな彼のことである。今回の日本オープンでも更なる成長を実感し、新たな課題も見つけたはずだ。そして、この12月には日本学生選手権優勝で得た資格で、日本ゴルフツアー機構の予選会(QT)はサードステージから受験する。「来年からはプロとして活動します。自分がどれくらい通用するかはまだ分かりませんが、ツアーのなかでもみくちゃにされないよう、存在感を発揮できるプレーヤーになりたいです」。
果たして一年後の日本オープンに出場できた時、どんなプレーヤーの古瀬幸一朗を見ることができるのだろう。